2018 Fiscal Year Annual Research Report
Characterization of biodegradable nanofibers for cryopreservation
| Project/Area Number |
16K05908
|
|---|
| Research Institution | University of Fukui |
|---|
Principal Investigator |
藤田 聡 福井大学, 学術研究院工学系部門, 准教授 (60504652)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
| Keywords | ナノファイバー / 生体分解性 / 細胞凍結 / 細胞接着 / エレクトロスピニング |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
(1) PHBHナノファイバー表面への細胞接着性解析：PHBH，PLLA，PU，PSについてフィルムおよびナノファイバーの加工形態で基材を作成し，それぞれの基材への細胞接着，細胞増殖，およびこれらを細胞凍結足場材料として使用した場合の細胞生存率を評価した。基材を凍結させず，20℃または4℃に冷却した際の細胞の剥離の様子を観察した。PU，PHBH基材上でファイバーに沿って伸長している細胞は，20℃に静置しても37℃の状態と変わらず細胞が伸長していたままであったが，PLLA，PS基材上で培養した細胞は、室温では細胞が収縮していた。さらに、4℃に静置したところ，PLLA上では、さらに収縮し，PS上では細胞は剥離し，凝集塊を形成した。
(2) PHBHナノファイバーを利用した凍結可能な細胞足場材料に関する検討：37℃で培養した細胞を基材上で凍結し，凍結前後の細胞の生存率を測定したところ，融解直後の生存率はPUおよびPHBH基材では、80％の高い細胞生存率を示したのに対し，PLLAおよびPS基材は、50％と低い細胞生存率を示すことがわかった。
これらの結果から、凍結融解によって低い細胞生存率、接着細胞数を示したPLLAおよびPS基材は、低温で収縮した細胞の接着が弱くなり、凍結融解によって細胞が剥離、収縮による物理的ストレスがかかったのと示唆される。一方PU，PHBH基材は、これらの細胞接着を維持できるため凍結基材として有用であると期待された。
|
