2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of bio-based wrinkled surfaces inspired by woods
Project/Area Number |
16K05916
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
井澤 浩則 鳥取大学, 工学研究科, 助教 (50643235)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | リンクル / キトサン / 西洋ワサビ由来ペルオキシダーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでに、『樹木に学ぶバイオベースリンクル形成手法』で生成するスキン層は、イオン架橋から成ることを解明した。この知見を基に、ポリイオンコンプレックス(PIC)スキン層の形成を鍵とする新しいリンクル形成手法の開発を行った。具体的には、汎用性の高いアニオン性多糖であるアルギン酸ナトリウム(AG)を用いるPICスキン層の創製と乾燥によって誘起されるリンクル表面について研究を行った。キトサン(CS)フィルムを,1.0 wt% AG水溶液に30℃で24時間浸漬し、余分に付着したAGを取り除くためにフィルムを純水に30℃で6時間浸漬した。得られたフィルムを40℃で乾燥することで、リンクル-AG/CSフィルムが得られた。異なる分子量のAG(80-120 cps及び300-400 cps, 10 g/L, 25度)を用いて得られたフィルムのSEM画像から、80-120 cpsのAGでは約1.1 umのリンクルが見られ、300-400 cpsでは,同程度の大きさの半球状の凹凸構造が得られることが分かった。この形状の違いが現れる原因を調べるために、フィルム断面の光学顕微鏡観察を行った。リンクル構造が見られた80-120 cpsのAGでは、0.7 um程度のスキン層が観察されたのに対して、300-400 cpsのAGでは,スキン層は観察されなかった。このことから、高分子量のAGでは、スキン層が薄くなったことで、乾燥応力が低下し、半球状の凹凸構造が形成したと考えられた。 以上の結果から、PICスキン層がリンクル形成に有効であること、並びに、PICスキン層を用いることでリンクルと半球状の凹凸構造が作り分けできることが明らかになった.
|
Research Products
(7 results)