2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of high color rendering, wide viewing angle and high color purity, directional organic light emitting device using multi cathode structure
Project/Area Number |
16K05957
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
三上 明義 金沢工業大学, 工学部, 教授 (70319036)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 有機EL / 発光効率 / 光取り出し / マイクロキャビティ / 光学解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は申請者が独自に開発したマルチカソード構造を用いて、高色純度・高指向性の高効率有機EL素子および高演色性・広視野角特性の白色発光という相反する発光特性の実現を目指としている。最終年度は、計算機能を更に高めた光学解析システムを用いて、前年度までの成果を三波長型白色有機EL素子に適用し、マルチカソード構造における光学補償層に光散乱特性を付加した外付け方式の光学特性機能を検討した。具体的な結果は以下のようである。 (1)光学補償層の材料組合せ、膜厚、光学定数とその分布の制御による高演色性・広視野角特性を有する白色発光の試作実験を進める。また並行して光学異方性プラスチック基板と白色有機EL構造との関連性についても検討し、小サイズ(50mm×50mm)の白色発光パネルを試作して、その効果を測定した結果、発光効率および発光強度の角度依存性において改善が認められた。 (2)マルチカソード構造、光散乱特性、光学異方性基板の組合せにより発光特性の改善を進めた結果、光取り出し効率45%、パワー効率が142 lm/Wの白色発光を確認した。しかし、他方では発光特性の再現性ならびに経時変化が必ずしも十分でなく、作製方法、成膜条件等の課題が認められた。今後、有機ELパネルの輝度変化、演色性、発光色の経時変化などの基礎データを継続的に収集することで、実用化に向けた基礎技術に繋がるものと考えられる。以上の成果は次世代4K8K-TVが定めるBT.2020規格に近い色域であり、色再現範囲の広い高色純度・高効率カラー有機ELディプレイの開発に寄与することが期待できる。
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Research Products
(4 results)