2018 Fiscal Year Annual Research Report
Inkjet Printing for Design of Shape and Function of Thin Film Metallic Alloys
Project/Area Number |
16K05968
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
青野 祐子 東京工業大学, 工学院, 准教授 (20610033)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ナノ粒子 / 気相合成 / 卑金属材料 / 薄膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
ナノ粒子インクによる合金薄膜印刷技術を実現するため,卑金属材料のナノ粒子合成方法について研究を行った.本研究では,パルスアークプラズマ蒸着(PAD)法によりプラズマ化した金属を液中で捕捉することで,多様な金属ナノ粒子を大量合成可能にする生成手法を検討した.本手法は,原理的に多様な金属微粒子への展開が可能であると期待される.捕捉溶媒として,真空中で捕捉するため低蒸気圧であるポリエチレングリコール(PEG)を用いた. Fe微粒子生成を試みた結果,100nm以下のナノ粒子の存在は確認されず,300-500nm程度の粒子の存在が確認された.この粗大粒子の生成量は,充電電圧を高くすると増加する.また照射距離の違いによっても生成量が変化し,生成量が最大になる照射距離が存在した.これは,距離によりPEG到達時のプラズマ密度が変化するためである. 基板上に蒸着する場合には,粒径数nm程度のFe粒子が生成されるが,PEG中ではこれが観察されない原因として,プラズマ化し活性なままPEG中に照射されたFeの多くが,PEG中でイオンとなる,またはPEGと化合物を形成していると考えた.そこでHよりもイオン化傾向の小さいCu微粒子の生成実験を行った結果,粒径数nm程度のCu微粒子の生成に成功した. イオン化傾向の大きい卑金属材料微粒子を生成する方法として,溶媒との反応を防ぐため,PEG到達前に急冷によりナノ粒子を生成することを検討した.通常,PADは高真空中でプラズマを生成するが,冷却のためArガスを圧力200Paまで充填した.その結果数十nm程度の粒子の生成に成功し,卑金属のナノ粒子生成が可能となることを示した.今後,本手法で生成した複数のナノ粒子をベースとし,合金薄膜の合成技術へと展開する.
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