2018 Fiscal Year Annual Research Report
Corrosivity of Magnesium Alloy for Biological Usage by Microstructure Control
Project/Area Number |
16K05974
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉原 正一郎 芝浦工業大学, デザイン工学部, 教授 (00311001)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | マグネシウム合金 / 腐食 / 結晶粒微細化 / 流体解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.材料の表面性状が腐食に与える影響:マグネシウム合金の腐食挙動の解明の基礎研究として、腐食因子のひとつである表面性状に着目し,異なる表面研磨処理条件において腐食挙動にどのような違いが生じるか調査した.本研究では,AZ31Bマグネシウム合金に対し, #180,#1000,および#2000の各エメリー紙による湿式研磨,粒度0.25µmのダイヤモンドスラリーによるバフ研磨,化学研磨の5条件をそれぞれ施し, 電気化学測定と浸漬実験を行った. また, 分極曲線,質量損失量およびSEMによるEDSマッピング分析を行い, 腐食生成物の成分を評価した.以上の結果から,化学研磨が耐食性向上の効果を示す一方,バフ研磨は研磨剤に含まれるダイヤモンドスラリーが研磨面に埋没し,隙間腐食の誘発をした結果, 耐食性を低下させることを明らかにした.また、腐食生成物は人体に無害なリン酸カルシウムを主成分とすることを確認した. 2.血流の流動が腐食に与える影響:医療用ステントは血管内での使用が前提であり, 血液の流動が腐食に与える影響の調査は必要不可欠である. 本研究では, 可変流量送液装置を導入した純マグネシウム円管の流動腐食実験を行い, 流動が材料の腐食に与える影響を調査した. 流量の異なる浸漬, 層流, 遷移領域, 乱流の4条件において実験を行い, 質量損失量, 腐食生成物の成分分析と厚さ測定および数値流体解析による腐食生成物の形状観察および各流量条件における腐食量の評価を行った. 以上の結果から, 流体と材料の間に壁面せん断応力が作用することで, 流体が腐食生成物を先端から剥離し, 剥離・腐食サイクルが生じ, 腐食が促進することを確認した. また, 流量の増加に伴い, 壁面せん断応力も増加することから, 腐食の促進は流量に依存することを確認した.
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