2017 Fiscal Year Research-status Report
回動ガイドを用いた機能性セラミックスのワイヤ放電ミーリング加工の実現
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16K06002
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
後藤 啓光 筑波技術大学, 産業技術学部, 准教授 (90389718)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 回動 / 放電加工 / セラミックス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、放電創成加工法とWEDG法の利点を併せ持つワイヤ放電ミーリング法を開発し、工具形状が変化しない形彫放電加工の実現を目指している。 本研究で提案する加工手法では先端が半球状のワイヤガイドを用い、ガイドに走行ワイヤを沿わせながら、ガイドを回動させることにより、ボールエンドミルを使用した場合と同様の形状加工を放電加工で実現することが出来る。またこの際、通常の放電加工では、電極の消耗により、加工形状に崩れが生じるが、本加工手法では走行ワイヤを電極とするため、電極形状の崩れが直接加工形状に影響を与えることが無く、電極の消耗を考慮する必要がないという特徴を有している。 本年度は絶縁性Si3N4セラミックスに対してワイヤ放電ミーリング加工を実施した。昨年度見出した放電波形の制御方式を適用した加工特性について調べた。デューティファクタ(D.F)と設定放電時間を変化させたときの加工表面状態についての観察を行なった。 従来の放電波形制御方式で加工を行なった場合には設定のパルス幅よりはるかに長い時間継続される長パルス放電が発生するため、設定上のD.Fや放電時間はほとんど影響が見られなかった。一方、新しい制御方式を使用した場合には、加工速度はD.Fの設定にリニアに対応した。また、放電持続時間の変更に伴い表面粗さにも影響を与えることが確認された。さらに、放電持続時間の増加とともに、表面に形成された導電性被膜の表面粗さは大きくなるが、ショットピーニング処理によって導電性被膜を除去した後のセラミックスの表面粗さはほとんど変化が見られないことが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新しく見出した放電波形の制御方式を適用した加工を実施した。この制御方式により、加工結果の安定性が向上した。この制御方式は加工特性の向上のほか、加工メカニズムの解明にも大きく寄与すると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
放電波形の制御方式を変更したことにより、安定した加工が実現するようになった。しかしながら、いまだセラミックスと補助電極間にダメージが確認された。そこで、補助電極処理法について改めて検討する。
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Causes of Carryover |
研究がおおむね順調に進展したことと、所属機関から配分された研究費のほか、大学院生を担当したことによる研究費などが追加配分された為、各種消耗品や旅費などを賄うことができた。翌年度分として請求した助成金は当初計画していた各種実験などに使用する予定である。
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Research Products
(5 results)