2016 Fiscal Year Research-status Report
ナノスケール加工現象における作用単粒子の三次元空間追跡法及び粒径計測法の確立
Project/Area Number |
16K06015
|
Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
カチョーンルンルアン パナート 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (60404092)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 恵友 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 教授 (50585156)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | ナノ粒子 / ポリシング / 加工現象 / レーザ / エバネッセント光 / 計測 / 粒径 / CMP |
Outline of Annual Research Achievements |
LSI(大規模集積回路)などの基板を平坦化させるCMP(Chemical Mechanical Polishing)加工の材料除去現象は,スラリー中の化学溶液成分により軟弱化した(例えばSiO2等が水酸化された)表面の材料が,化学反応膜に凝着したナノ粒子(粒径数100nm以下)より,取り除かれることで進行すると考えられている.ナノ粒子の機能は機械的に捉えられているが,それらの現象がナノ粒子とスラリー流れがポリシングの微視的挙動に直接影響する.さらなる高能率加工プロセスを実現するには上述のようにこのポリシング現象を解明する必要がある.そこで今年度では,ナノスケール加工の支配因子と材料除去メカニズムの関係をナノ粒子機能の観点から明らかにするために加工中におけるIn-situ単粒子の粒径の変化を観測する装置の開発を行った. これまで,一波長のエバネッセント光(本研究では,被加工表面に局在する光)を発生させ,表面に付着した50nm以下の粒径と散乱光強度の関係性を明らかにしてきた.しかし,加工現象では,ナノ粒子が付着・離脱・転動などすると考えられるため,表面に付着前後の瞬間(表面から離れている瞬間)の粒径の変化を求めるため,新たな二波長(複数波長)エバネッセント光を用いた観測・計測手法を提案した.次にそれらのエバネッセント光を発生させるパラメータである波長・入射角,また撮影するデジタルカメラのビット数を選定するため,数値解析を行い,高いビット数のカメラを採用する必要があることがわかった.それらに基づき,光学系の仕様を決定した.今回開発している実験装置は,波長450,650 [nm]のレーザ光源が設置され,観測対象である被加工表面に対し,同じ角度で同時に入射される.発生したナノ粒子からの各々の波長の散乱光強度をカラーデジタルカメラで観測し,複数波長の散乱光強度の比を取得するものである.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
開発中装置の要求仕様・パラメータの決定シミュレーション結果から,特に高いビット数のエリアセンサ(カメラ)を採用する必要が明らかになり,予定額より高額になったため,予算額内で導入するにはテストまたは,レンタルが必要になり,時間を要する.
|
Strategy for Future Research Activity |
カメラの性能が急速に発展してきており,要求仕様・予算内に満たすカメラを導入するまでに,デモ機やレンタルを依頼することが考えられる.それまでに本手法を検証するための実験法の設定・実験計画を平行に行い,平成30度の加工実機で行われる実験の実験装置ホルダを前倒しで設計することにより,研究計画の年度内に成果をまとめていく予定である.
|
Causes of Carryover |
複数波長の散乱光を取得する高いビット数の高速度カラーカメラが必要なため,予算内・年度内で導入できなかったため
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
カメラの性能が急速に発展してきており,平成29年度内に,要求仕様および予算内に満たすカメラを導入するまでに,デモ機やレンタルを依頼する予定である.
|
Research Products
(2 results)