2017 Fiscal Year Annual Research Report
作業面プロファイルと砥粒支持剛性の精密計測に基づく研削面粗さシミュレーション法
Project/Area Number |
16K06020
|
Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
坂本 治久 上智大学, 理工学部, 教授 (40276514)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 研削加工 / 砥石作業面 / プロファイル測定 / 研削仕上面粗さ / 切れ刃分布制御 / 綾目ドレッシング |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は,砥石作業面上の切れ刃分布をドレッシングにより制御することと,その結果をレーザ変位計によるプロファイル測定により計測して確認することを目指して検討を進めた.これまでに,切れ刃分布を制御するためのドレッシング方法及び条件を定めることができた.具体的には,単石ダイヤモンドによるドレッシングにおいて,綾目状にドレッシング条痕を形成することで,条痕の間のドレッサとの干渉の無い領域に有効切れ刃を残して切れ刃分布を制御することができる.単石ダイヤモンドによるドレッシングでは,砥粒の破砕を伴うため,綾目状のドレッシングにより確実に不干渉領域を砥石作業面上に残すことが有効と考えられる.通常の単石ダイヤモンドによるドレッシングでは,ドレッサによる砥粒の切削や破砕の作用が砥石作業面全面に隙間なく及ぶように,ドレッシング・リードを平均砥粒間隔さらには平均砥粒径より小さく定めることが一般的である.しかしながら,ドレッシング条痕の間にドレッサが干渉しない部分を残すためには,ドレッシング・リードをむしろ大きくすることが有効となる.従来の検討により,ドレッシングによる砥粒の破砕は,ドレッサと砥粒が幾何学的に干渉する断面積よりも幅や深さが大きく除去されることが知られている.そこで,新しいドレッシング条件として,ドレッシング・リードを平均砥粒間隔の2倍以上に大きくすることを考案し,その実験的検証の準備を行うところまでの検討を行うことができた.今後は,本研究で提案した綾目状ドレッシングにより形成される研削砥石作業面の3次元プロファイルをレーザ変位計を用いて計測し,切れ刃分布の制御可能性を実証することが求められる.さらに,そのように制御して生成した研削砥石による仕上面粗さを評価し,その制御性の向上効果を確認することが望まれる.
|