2017 Fiscal Year Research-status Report
高精度中間周波数形状表現手法を用いた超精密形状創成加工シミュレータの開発
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16K06022
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
森田 晋也 東京電機大学, 工学部, 教授 (30360655)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 修正研磨 / 非球面 / ボケ像 / 光学シミュレーション / 長田パッチ |
Outline of Annual Research Achievements |
車載用ヘッドアップディスプレイやヘッドマウントディスプレイ,全方位監視カメラなどさまざまな用途において需要が急速に拡大している自由曲面光学素子あるいはその金型の形状創成には超精密切削加工や超精密研削加工が用いられ,表面粗さの修正に超平滑研磨加工が用いられるが,中間周波数形状と呼ばれるによる光学機能の悪化が問題視されている.本研究は,切削・研削加工によって創成された中間周波数形状をモデル化し,研磨加工による中間周波数形状の遷移を基礎研磨実験による形状変化データベースにより予測し,加工プロセス中途における光学性能への影響を定量的に再現することで,形状創成/研磨の最適な工程設計を可能とする計算手法を提案するものである. 今年度は,小径ツールによる微小領域の除去加工を行う研磨システムの開発を行った.ボイスコイルモータを用いて微小な圧力を制御可能な研磨システムを開発し,小径研磨ツールによる研磨基礎実験を行った.表面に微小うねりをもつ光学素子の光線追跡シミュレーションシステムを開発し,一眼カメラのレンズに微小うねりが残存したときの光学性能への影響を調査した.その結果,微小うねりの振幅が小さい場合,合焦した物体の画質への影響はそれほど大きくないのにもかかわらず,ボケ像への影響が大きいことが判明した.また,ボケ像への影響を定量的に調査するためには光線数を増やさねばならず過大な計算時間を要した.軸対称なボケ像を評価することを目的として,光線データを円周方向に積算することでノイズを低減することができた.さらに,ボケ像の原因となる微小うねりを異なるレンズ群に与えることによって,ボケ像への影響が大きい面と小さい面に分類することができた.このことは特に非球面を多用する現代のカメラにおいて,非球面加工における仕上げプロセスを省力化・低コスト化する上で重要な指針を与える結果が得られた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
波長数10μm~数百μmの表面微小うねりをもつ光学素子の研磨実験,シミュレーションコードの開発と解析について,順調に推移している.また,白色光,レーザを用いた微小表面の計測結果の利用についても開発が順調に進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定の通り,光学性能への影響を考慮した研磨プロセス設計に取りかかる予定である.
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