2019 Fiscal Year Annual Research Report
Direct Observation of Machining Gap by EDM of Transparent Insulator and Development of Insulator Drilling EDM
Project/Area Number |
16K06032
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Research Institution | Tokyo Metropolitan College of Industrial Technology |
Principal Investigator |
吉田 政弘 東京都立産業技術高等専門学校, ものづくり工学科, 教授 (80220680)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 放電加工 / 絶縁体工作物 / 石英ガラス / 放電加工現象 / 放電波形 / 3軸方向同時観察 / 遷移領域 / 導電性皮膜生成 |
Outline of Annual Research Achievements |
絶縁体工作物用微細穿孔穴放電加工機の製作には,絶縁体の放電加工現象の理解が重要である.筆者らは,石英ガラスの穿孔放電加工に成功した.これによって,極間で生じる放電加工現象と放電波形の同期観察が行える.その同期観察の結果,絶縁体放電加工で生じる特有の長パルスが,絶縁体放電加工では必要な放電面の導電性皮膜生成を担っていることを明らかにした.そして,長パルス放電後に,同じ場所で集中する正常放電により絶縁体工作物が加工され,また,これが絶縁体工作物の放電加工の形状精度が悪い理由である.正常放電の集中は,長パルス放電で生じる加工液の熱分解カーボン量が多いためと考えらる.そこで,生じる熱分解カーボン量の減少を目的で,長パルス放電のパルス幅と発生回数を減らすことを試みた.その結果,放電加工の形状精度の向上が図れた.しかし,長パルス放電のパルス幅や回数を減らしすぎると放電が持続しなくなり,工具電極直径に応じて最小の放電電流値が存在する.この理由の解明には,絶縁体の放電面に生成する導電性皮膜の生成過程を調べる必要がある.そこで,加工極間隙をXYZの3軸方向から同時観察を行った.特に,絶縁体表面に施したメッキ層から絶縁体表面に放電が遷移する遷移領域での導電性皮膜の生成過程が重要と考えられる.そこで,観察は遷移領域を中心に実施した.その結果,放電電流値が高くなると,生じる熱分解カーボン量が多く,逆に,放電電流値を下げると熱分解カーボン量は減少することが分かった.つまり,絶縁体工作物の放電加工の安定には,適切な厚さの導電性皮膜の生成が重要である.微細穿孔放電加工機の製作には,放電波形のモニタリングにより放電電流値を細かく制御することで導電性皮膜の厚さを適切にする保持する必要があることが分かった.なお,導電性皮膜の厚さや形状の詳細な観察のため,高分解能のデジタルマイクロスコープを科研費にて購入した.
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Research Products
(1 results)