2017 Fiscal Year Research-status Report

蠕動マイクロポンプと能動マイクロミキサーを内蔵する高機能μ-TASデバイスの開発

Research Project

Project/Area Number	16K06041
Research Institution	Tokyo Institute of Technology
Principal Investigator	嚴祥仁東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (20551576)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	吉田和弘東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (00220632) 金俊完東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (40401517)
Project Period (FY)	2016-04-01 – 2019-03-31
Keywords	機械要素
Outline of Annual Research Achievements	本研究では積層ダイヤフラム形誘電エラストマーアクチュエータの誘電エラストマーは紫外線を照射することで硬化する２液性PDMS(polydimethylsiloxane)を用いて製作する．そして，柔軟性電極は柔軟性と導電性が優れているPEDOT:PSS(poly(3,4-ethylenedioxythiophene)polystyrene sulfonate)に紫外線照射により硬化する特性を加えた紫外線硬化性PEDOT:PSSを用いて製作する．紫外線硬化性PDMSと紫外線硬化性PEDOT:PSSはマスクを用いてパターニングすることができる特徴がある．本年度は紫外線硬化性PEDOT:PSSに糖アルコールを添加し，ヤング率を下げることにより，誘電エラストマーアクチュエータの性能向上を図った．柔軟電極として用いる紫外線硬化性PEDOT:PSSは紫外線硬化性PDMSよりヤング率が高いので，アクチュエータ性能低下の原因になる．そこで，紫外線硬化性PEDOT:PSSに糖アルコールであるキシリトール，アラビトール，ソルビトールをそれぞれ添加し，紫外線硬化性PEDOT:PSSのヤング率変化を実験的に確認した．そして糖アルコールを添加したPEDOT:PSSを柔軟電極とする誘電エラストマーアクチュエータを試作し，アクチュエータの性能を実験的に評価した．実験結果から，糖アルコールを添加することにより紫外線硬化性PEDOT:PSSのヤング率が下がることが確認できた．また糖アルコールを添加した紫外線硬化性PEDOT:PSSを柔軟電極とする誘電エラストマーアクチュエータの変位が大きくなることが確認でき，糖アルコールを添加した紫外線硬化性PEDOT:PSSを有効性が確認できた．
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 3: Progress in research has been slightly delayed. Reason 平成28年度の研究実施計画に従って研究を行い，層のダイヤフラム形誘電エラストマーアクチュエータの開発した．柔軟電極として用いた紫外線硬化性PEDOT:PSSのヤングが高く，アクチュエータの性能が低下する原因になった．そこで，アクチュエータの性能向上することを目標とすることで全体的な進歩状況がやや遅れている．
Strategy for Future Research Activity	1. 平成29年度につづいて，ダイヤフラム形誘電エラストマーアクチュエータの性能向上を図る． 2. 積層ダイヤフラム形誘電エラストマーアクチュエータの製作プロセスを開発し，アクチュエータの特性評価を行う． 3. 開発する蠕動マイクロポンプはダイヤフラム形誘電エラストマーアクチュエータを流路内部に直列に配置し，蠕動運動させることで流体をポンピングする．その際，流路の形状，アクチュエータの配置，動作周期などによりポンプの性能が変化すると考えられるので，有限要素解析方を用いて解析することで蠕動マイクロポンプを設計する．そして，開発したプロセスを用いて，蟷動マイクロポンプを試作し，流量，発生圧などの性能評価を行う．