2017 Fiscal Year Research-status Report
油膜内部の放電可視化技術を用いた軸受電食の原理解明
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16K06058
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Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
砂原 賢治 福岡工業大学, 工学部, 准教授 (80757104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 健次 九州工業大学, 大学院工学研究院, 教授 (40229480)
西川 宏志 九州工業大学, 大学院工学研究院, 助教 (40208161)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 電食 / 軸受 / 放電 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)洗濯板状電食痕の形成メカニズム:油膜1枚の発光実験では希頻度でしか放電が見られない。転がり玉軸受では油膜は2箇所(外輪・玉、玉・内輪の間)あり、2箇所同時に放電できるかに疑問がある。今回、極端な例として油膜3箇所だと放電できないだろうと予測し、実験で調べた。その結果、油膜3箇所で洗濯板状電食痕が形成された。油膜3枚でも放電していることに驚くと共に、形成された洗濯板状電食痕がスイッチの作用をし、電流を入り切りすることが分かった。これは、転がり玉軸受で言えば2箇所の油膜が相互に影響し合い電流の入り切りをして洗濯板状電食痕を形成していく可能性を示唆している。 (2)洗濯板状電食痕のピッチ決定ルール:洗濯板状電食痕のピッチがヘルツ楕円短径2bの2倍になることを、さまざまな実験条件で確認した。この結果から、チューリングパターンをヒントに、洗濯板状電食痕のピッチは、次の①②が繰り返されることで決定していくという仮説を提案した。①近距離間の相互作用:放電痕は放電を呼び凹化が進むと共に、相手材に押しつぶされて放電ピットが修復される。②遠距離間の相互作用:2面間距離が近いヘルツ楕円短径2b部分だけ放電する。放電痕が多い白縞部分だけ放電し、放電痕が少ない黒縞部分では放電しない。現在、この仮説を裏付けるため、油膜の放電可視化技術で、放電箇所の特定を試みている。 (3)洗濯板状電食痕の数理モデル:洗濯板状電食痕の形成を簡単な数理モデルで再現し、パターンがチューリング不安定性により生じている可能性を論じた。今後、実機の実験により数理モデルでの予測を実証すると共に、時空間を連続にとったモデルでチューリング不安定性について詳細な解析を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究リソースを集中することで課題解明が順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
放電が生じている場所を可視化して仮説を裏付け、軸受電食の原理を解明する。
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Causes of Carryover |
研究進捗に併せて備品を購入したところ、計画より5万円残が生じた。
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Research Products
(5 results)