2016 Fiscal Year Research-status Report
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16K06065
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小西 康郁 東北大学, 流体科学研究所, 産学官連携研究員 (20552540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥泉 寛之 東北大学, 流体科学研究所, 技術専門職員 (60647957)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 球 / 剥離 / 低レイノルズ数 / 不安定性 / 支持干渉 |
Outline of Annual Research Achievements |
球の低レイノルズ数における非対称性の表れ、渦放出の臨界レイノルズ数などを磁力支持天秤装置(以下MSBS)を用いて、支持干渉の影響がない状態での流れ場を調べることを目的に今年度の目標として、PIVを用いた球後流の可視化を行う予定であった。 これに先立ち、1m-MSBSの性能を確認するために予備試験として球の臨界レイノルズ数越えの風洞試験を実施した。測定値は亜臨界域で0.48前後、超臨界域では0.19程度となり、JAXA所有の60cm-MSBSで実施された抵抗係数と同様の結果を得ることができた。また、同時に計測した気流に直角方向の流体力変化の様子も過去の報告と一致しており、臨界レイノルズ数を超えるあたりから同空気力が発生し、その向きが気流軸周りに回転している様子も捉えることが出来た。この現象は、球後部に発生する馬蹄形渦に起因していると考えられ、より詳細な検証が必要である。 この後の試験でアンプの故障、模型の破損が発生したため計画を見直し、模型内に圧力センサーを導入し背圧係数を得るシステムを1m-MSBS導入を進め、円柱模型内にセンサーを導入し、無線伝送にてデータを取得するシステムをテストした。二次元模型においては、模型の細長比を変化させた場合、細長比0.67付近において極大値を示すといわれている。本センサーの確認試験をかねて三次元物体である円柱のおいても同様の現象が確認されるのか検証した。細長比の変化による抵抗係数の変化と背圧係数の変化の傾向はおおむね等しく、抵抗係数が背圧係数の影響を強く受けており、再付着しない細長比が小さい場合は、背圧係数の変動が大きいこともわかった。 これらの試験を通じて、1m-MSBSの性能確認、圧力計測システムが構築されアンプの修理が済み次第、主目的である低レイノルズ数での試験を実施できる見込みである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
基本性能確認のための球の臨界レイノルズ数越えの試験は無事に終了し、前期は予定通りの進捗であった。しかしながら、後期の初めに実施した臨界レイノルズ数越えの追試験時に磁場を生成するのに用いているパワーアンプの1台が故障した。パワーアンプの修理費の概算見積もりが高額であったため他の予算処置がなされるまで修理に出せない状況となった。これに伴い、故障したシステム上の問題点の改善と他のユーザーの試験を優先することとなったため、予定していた磁力支持天秤装置の移動機構を用いた本研究目的の試験期間を確保できなくなり、大幅に計画が遅れることとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
パワーアンプの修理および予備品の購入を他の予算で年度末に実施することが出来たため、次年度に関しては予定通り試験が行える予定である。また、移動に伴う振動対策、PIVにおけるカメラ配置、粒子密度の磁力支持天秤センサー系への影響などパワーアンプがない状況でも進められる箇所については、適時進めてきたため、成果が出せるものと考えている。
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Causes of Carryover |
磁力支持天秤装置の主要部品であるパワーアンプが10月の試験中に故障したため、修理する必要が出てきた。またこれに伴い、他の利用者と試験日程の調整を行った結果、年度内での本テーマでの磁力支持天秤装置を利用することが出来なくなった。球模型を制作し再度落下、破損させてしまうと本テーマの遂行が難しくなってしまうためパワーアンプの調整を含め安価に製作できる円柱模型を制作し予備試験を実施することで今年度の支出が抑えられたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
パワーアンプの修理も年度末に終わったため、一度落下させた既存の球模型で確認試験を行った後、平成28年度に予定していた球模型での試験を実施する。この模型の制作に繰り越した予算を充てる。
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Research Products
(4 results)