Experimental study on wake structure of a sphere in the low Reynolds number

2018 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 16K06065
• Research Institution: Tohoku University
• Principal Investigator: 小西 康郁 東北大学, 流体科学研究所, 学術研究員 (20552540)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 奥泉 寛之 東北大学, 流体科学研究所, 技術専門職員 (60647957)
• Project Period (FY): 2016-04-01 – 2019-03-31
• Keywords: 球 / 磁力支持天秤

Outline of Annual Research Achievements

球周りの流れは，流体力学の基礎的な現象としても工学的な観点から飛翔体としてみても，またスポーツの分野においても重要である．しかしながら，この軸対称な物体周りの流れを風洞試験で調べる場合，かならず支持部材が必要でありその影響がどの程度あるのかははっきりとはわかっていない．特に低レイノルズ数領域における渦構造は，理論から予測されるモードと実験で観察されるモードが異なっており，支持部材の存在により導入された攪乱により特定のモードが励起された可能性がある．そこで，本研究では，支持干渉のない測定装置として磁気力を用いて模型を支持することが出来る磁力支持天秤を用いて理論と実験の相違点を明らかにするためのより信頼できるデータを取得することを目標に研究を進めた。
本年度は、昨年度に問題となった模型の画像への映り込みを解決するために模型の白黒塗装を反転しPIV計測面には出来るだけ黒色の背景として模型が映るように模型および制御プログラムを修正した。この結果、球の後流の可視化不可領域が軽減しPIV解析が可能となり、Re=200~320の範囲において球の後流のパターンを解析した結果、Re=320の領域においてマッシュルーム状の渦対が存在し流れを吹き上げている状況が確認された。
この現象を確認するためにCFDを用いた解析と比較を実施した。CFD解析の精度検証のため、Re=100から320までの範囲で定常計算を行い、定常解が得られるRe=200までの範囲において、他の文献と同等の精度を有していることを確認した。またRe=320において非定常解析を行い、実験と同様に傾いた渦対が形成されることが確認でき定性的には一致する結果が得られた。
しかし、模型位置計測に用いている照明による模型の加熱による対流の発生や空気中の酸素の磁性により起きる対流の影響との切り分けが十分に出来ておらず、今後の課題として残った。