2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K06078
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
辻本 公一 三重大学, 工学研究科, 教授 (10243180)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 俊剛 三重大学, 工学研究科, 准教授 (30273345)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | Impinging jet / Multiple jet / Heat transfer / Mixing / Coherent structure / DNS / Active control / DMD |
Outline of Annual Research Achievements |
多数の衝突噴流を配置した多重衝突噴流では個々の噴流間に強い干渉が生じるため、多重化に起因する横断流れや噴流間に生じる大規模な循環流れによる性能の低下、さらに衝突面上には非一様な分布特性が生じる。これらの問題を抜本的に解決するため、独自に開発したDNS(Direct Numerical Simulation)コードを用いて、能動制御による多数噴流制御手法を開発する。本年度は多重衝突噴流の基本的特性を明らかにするため、7,13,19本の噴流を多数配置した多重衝突噴流の流動・伝熱特性について解析し、その結果、各衝突噴流どうしの間に形成される壁面噴流が互いに衝突することで壁面上に発生する吹上げ流れと,噴流が周囲に噴き出す流量が積算されて生じる横断流れの影響の度合いに応じて多重化された流れ場の内部に異なる流れ構造が形成されることを明らかにした。この多数噴流の流れ場について強制的に吸い込みを行う(プッシュプル)制御の特性評価も行った。2本の噴流を間欠的に噴出させる間欠制御に取り組み、噴流間隔を変化させた結果、自由噴流の拡散特性を大きく変化させることができ、特に噴流間隔が狭い場合、著しく周囲に拡がること、衝突噴流の噴流間に生じた吹き上げが、間欠制御により抑制され、噴流間に生じる伝熱性能の低下が大きく改善されることを明らかにした。混相噴流については、時間発展型の計算コードを用いて、液体噴流の分散性の向上について検討した結果、噴出時の速度分布を凸型または凹型に設定することによって通常の一様な場合と比べて噴流挙動が大きく変化し、液体噴流が細かく分裂・崩壊すること、また、この傾向が内部せん断層の強さに比例していることを明らかにした。液体衝突噴流の基盤となる伝熱を伴う液滴衝突問題や液体噴流の回転制御についても着手し、その特性を明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の主要な目標は制御方法の絞り込みと同時に、評価の基盤となる多数の衝突噴流の特性評価ならびに混相噴流の評価のための基盤づくりである。これまで検討してきた制御方法のうち、噴流を間欠的に噴出する間欠制御の伝熱・混合に対する性能評価を単独/複数の自由噴流/衝突噴流について検討を行い、多数噴流の制御手法として混合・伝熱の改善が図られること、非常に多数の噴流を配置した多重衝突噴流の特性についても評価の基盤となる流れ場の特性を明らかにしている。液体自由噴流に関するせん断層制御による微粒化特性の向上、噴流を回転させる液体噴流制御、液滴が壁面に衝突する衝突液滴のシミュレーションに取り組み、混相噴流の衝突制御に必要なシミュレーション技術と現象解析の技術が確立されており、概ね目標が達成されていることから総合的に(2)と判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
間欠噴流による制御について検討し、制御方法の有効性を見出している。これら手法を多重噴流に適用し、より最適なパラメータの選出を行う。評価のプラットホームとなる多重噴流の幾何学的設定に関する情報も整理されていることからこれを利用し、いくつかの多重噴流の形態に対する流動制御と制御特性の評価を効率的に進める。評価の基盤技術となるDMDや最適制御手法に関する研究はそれぞれが核となる研究分野で着実に進展している。これらは本研究で制御性能を評価・進展させる上で不可欠な要素であることから、関係するこれら最新の研究成果を積極的に取り入れる。液体噴流のシミュレーションに必要な要素技術は整えられており、液体衝突噴流の伝熱特性の改善について有効な制御手法を開発する。
|
Research Products
(16 results)