2018 Fiscal Year Annual Research Report
Spatial distribution of micellar structure in drag-reducing surfactant solution flow clarified by fluorescence probe method
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16K06090
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
脇本 辰郎 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (10254385)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 抵抗低減 / 界面活性剤 / ミセル |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度に,蛍光プローブ法によるせん断誘起構造(SIS)の局所検出とともにLDVによる速度計測を行ったが,LDVの検査体積が大きかったこと等が原因で,壁指標でy+<8の領域の測定が困難であった.そこで平成30年度は,LDVの光学系やトラバース装置の変更などで改善を試みた.しかし,新たに発生したノイズの除去の他,LDVの故障への対応で時間がかかり,年度内に期待した改善の効果が得られなかった.そこで,平成29年度と同様の測定方法で測定し,平成29年度に得られた測定結果の再現性の検証を行った.y+>8の領域内では測定結果の再現性が得られ,SISがバッファー層の比較的壁に近い領域(y+=10付近)における乱れの生成を抑制していることが確認できた. 本研究の期間全体の成果は,①SISの生成による蛍光強度の変化,②SISの生成・消滅の局所性,③壁付近のSIS生成と抵抗低減効果との高い相関を明らかにしたことである.疎水性の蛍光物質であるピレンカルボキシアルデヒド(PCA)を界面活性剤水溶液に添加して見かけ粘度と蛍光強度の関係を調べたところ,SISの形成による粘度上昇により蛍光強度が低下した.これはSISの形成によりPCAがミセル内部に取り込まれたものと解釈できる.また,直径10mmの円管に対して0.1mm程度の空間分解能でSISの形成/消滅の空間分布をレイノルズ数Reを増大させながら測定した結果,壁近傍のy+=15付近で最も早くSISが発達し,その後消失することがわかった.y+=15より壁際,または中心側の領域ではSISは遅れて形成/消滅し,SISの局在性が明らかとなった.さらに,y+=15付近におけるSISの発達/消失は抵抗低減効果の発現/消失と高い相関を示し,SISがバッファー層の比較的壁に近い領域における乱れの生成を抑制していることが示唆された.
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