2018 Fiscal Year Research-status Report
自動調整機構を有する空気ばねを用いた精密防振機構の開発
Project/Area Number |
16K06148
|
Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
山本 浩 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (20220494)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成川 輝真 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (50424205)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 防振機構 / 空気ばね / ばね定数 / 減衰係数 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)スリット絞りを有する空気ばねで支持された鉛直方向一自由度を有する防振機構においては,共振倍率を最小化する等価減衰比は空気ばねのシリンダおよび補助タンクの容積比から一意に決まるが,支持質量が変化した場合は等価減衰比に対応する等価減衰係数は変化する.そこでまず,支持質量の大きさと,共振倍率を最小化するという観点での最適な減衰係数およびそれに対応するスリット絞りの長さの関係を明らかにした.そしてそれに基づき,円弧溝を有する円板と,それに対向する回転可能な減衰係数調整円板の組み合わせにより形成されるスリットの長さを広い範囲で調整する機構を見出した.そしてこの減衰係数調整機構を具体化した可変長スリット絞りを有する空気ばねを設計試作した. (2)基礎に調和振動を与えたときの支持質量の応答から試作した空気ばねの振動特性を測定し,試作した空気ばねは,支持質量を基準値としたときの等価減衰比0-4に対応する,等価減衰係数を0-180(N/ (m/s) )という広い範囲で調整可能であることを明らかにした. (3)支持質量の大きさを基準値からその2倍まで変化させた場合も,減衰係数を調整することにより共振倍率を1.4程度に低減可能であることを明らかにした. (4)基礎の加振振幅を基準値から5倍まで変化させた場合も,共振倍率は振幅によらず一定であることを明らかにした. (5)実験結果を計算結果と比較検討することにより,計算およびそれに基づく設計の妥当性を明らかにした.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
(1)前年度の遅れにより,本年度になってようやく調整機構を有する空気ばね単体の設計,試作,特性測定に至った. (2)本年度に,減衰係数の調整幅を大幅に広げうる機構を見出すことができたが,それに伴い調整機構を新たに設計しなおすことになった.
|
Strategy for Future Research Activity |
当初予定に比べ減衰係数の調整範囲が広い,調整機構を有する空気ばねの主要部分を実現でき,その特性も明らかにできたので,本年度は複数の空気ばねで支持された多自由度防振機構に展開し,最適な振動伝達特性を得るための調整則を明らかにし,その妥当性を検証する.
|
Causes of Carryover |
当初計画に比べ遅れが生じており,空気ばね単体の試作は終了し特性取得も行えたものの,複数の空気ばねで支持された防振機構の設計製作に至っていない.そこで次年度に防振機構およびその制御系を試作し,特性を計測するためには試作部品や変位計を購入する必要があるので,次年度使用額が生じている.次年度は早急に防振機構を作成しその特性を明らかにするとともに,これまで得られた研究成果を海外においても発表する予定である.
|