分解不要での多体構造系コンポーネントの質量特性同定

2017 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 16K06149
• Research Institution: Tokyo Institute of Technology
• Principal Investigator: 大熊 政明 東京工業大学, 工学院, 教授 (60160454)
• Project Period (FY): 2016-04-01 – 2019-03-31
• Keywords: 実験的同定法 / 剛体特性 / リンク機構 / 構造動力学

Outline of Annual Research Achievements

下記の２項目の研究活動を行っている。
１）同定法の理論完成化への理論的考究
２）本研究で開発する同定理論および実際の同定手法の妥当性と精度検証を行うための計測装置（実験装置）の設計・製作・同定計測の試行
まず、　第１項目については、質点系リンクとみなせる対象物については理論と同定方法が明確化でき、論文化に向けた原稿記述も完了した。慣性モーメントが大きな剛体リンク系については考究しなければならない課題が明らかとなり、その点に関して理論展開の研究を継続している。実用的な計測上の条件も含めて高精度な同定を開発すべく、計測装置の改良も含めて多角的観点で理論を検討している。
第２項目の計測装置については、独自の設計により完成させた。なお、計測対象物となる試験体リンク機構の動きを計測する装置部分については、検討の結果、市販されているステレオ視カメラに基づく市販の画像計測装置を組み込むこととした。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

平成２９年度は基本的に下記の２項目の研究活動を行った。
１）本研究で開発する同定理論および実際の同定手法の妥当性と精度検証を行うための計測装置（実験装置）の設計・製作・同定計測の試行
２）同定法の理論完成化への理論的考究
まず、第１項目の計測装置については、独自の設計により完成させた。なお、計測対象物となる試験体リンク機構の動きを計測する装置部分については、検討の結果、市販されているステレオ視カメラに基づく市販の画像計測装置を組み込むこととした。
第２項目については、質点系リンクとみなせる対象物については理論と同定方法が明確化でき、論文化に向けた原稿記述も完了した。しかし、慣性モーメントが大きな剛体リンク系については考究しなければならない課題が明らかとなり、その点に関して理論展開の研究を継続している。実用的な計測に基づく高精度な同定を開発すべく、計測装置の改良も含めて多角的観点で理論を検討している。

Strategy for Future Research Activity

理論の考究と同定手法と装置開発および検証実験の２つの観点からの研究を引き続き進め、研究成果の整理・考察・発表の計画を立てる。
もっとも重要な今後の研究ポイントは、上記の「現在までの進捗状況」に記したとおり、理論の完成化であり、その方策のひとつとしては、ある新規性ある計測上の工夫をうることで同定法理論の完成化をめざす。
実験計測による研究活動としては、供試体の種類を増やして実験を実施して、同定法の現実的実現性と精度検証を行う。
以上の理論面と実験面でのデータ・同定結果などを整理・分析・考察して論文として発表する。

Causes of Carryover

理論展開面での研究に課題が発見され、当初計画どおりの早さで研究成果を得ることができなかったので、その適当な段階での学会発表を行わず研究に専念した。そのため旅費（国際会議）相当分程度の額が次年度に繰り越すこととなった。