2016 Fiscal Year Research-status Report
複眼動画像立体視認識による自律型水中ロボットの誘導嵌合制御の確立と実海域実証実験
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16K06183
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
見浪 護 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (80262608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松野 隆幸 岡山大学, 自然科学研究科, 講師 (50377842)
矢納 陽 川崎医療短期大学, 放射線技術科, 准教授 (70351658)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 自律型水中ロボット / 複眼カメラ / 立体空間認識 / 模擬充電実験 / ドッキング / 自律型知能ロボット / 海底資源探査 / 長期連続航行 |
Outline of Annual Research Achievements |
九州工業大学、東京大学の協力を得て、自律型水中ロボットAUV(Autonomous Underwater Vehicle)を用いた水中嵌合実験に成功した。見浪研究室が開発した実時間複眼3次元立体認識を九工大所有の自律型水中ロボットAUV「ツナサンド2」に搭載し、東京大の実験水槽を用いて実験を行った。AUVを複眼カメラによる空間立体認識によって嵌合穴にドッキングさせる試みは世界初で、ビジュアルサーボ技術(動画像を用いた画像認識によってロボットの運動制御を行う技術)の有効性を実証した。 AUVの自動嵌合はロボットのエネルギー源であるバッテリーの海底での自動充電につながり、深海底での自律型知能ロボットの長時間の自律連続運転や作業を行うことが可能になり、この技術は、長期間連続航行を要する海底資源探査・回収や海中未確認生物の生態調査等への利用が期待される。 見浪研究室は2016年9月29日から6日間、九州工業大学西田祐也特任助教、東京大学生産技術研究所巻俊宏准教授の協力を得て、実時間複眼3次元立体認識を搭載したAUV「ツナサンド2」を用い、実験水槽(水深8m)での嵌合実験を実施し、AUVに取り付けた嵌合棒を水中に設置した円筒形嵌合穴に嵌合させる充電模擬実験に成功した。AUVを複眼カメラによる空間立体認識によって嵌合穴にドッキングさせる試みは世界初で、ビジュアルサーボ技術(動画像を用いた画像認識によってロボットの運動制御を行う技術)の有効性を実証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
(理由) [水中実験系の構築を完了] 簡易プール(右図、縦×横×高さ、3 m×5 m× 1.0m)を準備実験用プールとして購入し実験可能な状態とした。電源・画像送信用テザーケーブル(50m)を介してROV への給電ならびに実験槽脇に設置したPC を介して対象物の画像情報ならびに制御信号等の通信を行う。PC 側ではROV 搭載の2台のカメラから送られる対象物の立体像情報を基に、実時間遺伝的認識法による3Dモデルベーストマッチングを行い3Dマーカーと水中ロボットの相対的位置姿勢を計測する。さらに、認識結果と相対的目標位置・姿勢との誤差に基づくPD 制御によって計算された指令電圧値を水中ロボットのスラスタに与えることで、推力を発生させ安定化させる。以上の制御を行うコンピュータは、圧力容器に内包可能な大きさで計算機能力の十分なもの(Interface, Corei7 3517UE 1.7GHz)を選定し圧力容器を作成し水中で制御可能な装置を製作した。さらに写真中央のドッキングステーションを製作した。このドッキングステーションを海中にセットして、海中模擬充電実証実験を始める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
[実海域帰巣性能確認実験] 広和㈱より提供を受けている水中ロボットは50m水深まで潜航可能であり、岡山県地域の入江での帰巣性能確認実験を行うことができる潜航能力を持つ。実海域充電実験のためにすでに製作された自光マーカー、ソナー発信機、海中充電装置の動作をプールで実験し確認した後に、実海域で帰巣システムによるアプローチ嵌合実験を行う。ソナー発信機、受信機は購入済みである。性能を確認したのちにROVに組み込んで帰巣・嵌合繰り返し実験を行う予定である。 [3Dマーカー認識に対する海水の濁りの影響に関する実験] 実海域では、海流による海底砂泥舞い上がりやプランクトンによる視界不良状態となる場合が多い。このため3Dマーカーを自光式として視認距離を延ばす対策をとっている。認識方法はモデルベースとマッチング法であるため、マーカーの一部が海中浮遊物で隠れてしまう状態であってもマッチングレベルは大きく下がることはない。遮蔽物の存在(マーカーの一部を故意に隠す、みそ汁の具である麩を水中にばらまいてマリンスノーに見立てる、カメラとマーカーとの間に気泡を発生させる、などを行った)に対する3D実時間画像認識のロバスト性を確認する。さらに実海域で画像認識のロバスト性を確認する。その後、潮流、海藻の動的変化による外乱の影響、アプローチ段階の運動制御性能などを確認する。
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Causes of Carryover |
少額であったため、物品等を購入することができなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
翌年度の予算額と合算し、必要な物品等を購入する。
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Research Products
(8 results)