2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K06188
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
武居 直行 首都大学東京, システムデザイン研究科, 准教授 (70324803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望山 洋 筑波大学, システム情報系, 准教授 (40303333)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 水中ロボット / 共振 / 振動モータ / 弾性板 |
Outline of Annual Research Achievements |
水中ロボットの推進機にはスクリュープロペラが主流であるが,混濁水中では絡まりや巻き込みによる自己の破損や環境への危害などのリスクがあるために使用困難であり,静粛性や効率が優れている等の理由からも,ヒレ推進が有効であると期待されている.しかし,一般に用いられるサーボモータによるヒレ駆動は,サイズの制約により小型化は難しい.そのような背景のもと,完全な気密性を保ちながらも,シンプルでコンパクトな原理で水中をヒレ推進する方法として,振動モータをロボット筐体内に内蔵し,筐体外部に固定した弾性板の共振を利用することで推進する小型水中推進機を考案してきた. 平成28年度はまず,実験条件の中でも重要な項目の一つである振動周波数の再現性を高めるために,振動モータの回転数制御系を構築した.これにより今まで高速度カメラによる観察後の計測で求めていた振動周波数をリアルタイムで意図的に指令することができるようになり,またバッテリー残量による変動を低減することができた.このシステムはワイヤレスで指令・計測できるように構築したため,ケーブルの張力といった誤差要因も排除することができた. つぎに,このワイヤレス指令・計測可能な実機を用いて,実験条件をさまざまに変えた遊泳実験により,観察およびデータ取得を行った.実機パラメータとして弾性板の大きさ・厚さ,加振位置,振動周波数などが遊泳性能に影響する.プラスチック薄板からカットした弾性板および,3Dプリンタで製作したロボット本体を組み合わせて実験に用いた. 本研究では当初より,周囲流体のダイナミクスを考慮した厳密な再現性(定量的な一致)を持つモデルの構築は現実的ではないと考えていたため,これらの実験結果を踏まえて,実機において定性的な性能(推進の可否・推進速度の優劣)を再現するモデルの構築を試みた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験データを取得する際に,振動モータの回転数が変動する現象が生じてしまった.そのため,先に振動モータの回転数制御系を構築することにしたため,若干計画が遅れている.しかし,制御系構築に合わせて,ワイヤレスで回転数指令およびデータ取得が可能なシステムを構築したため,データの再現性が向上し,結果として信頼性は高まり,また平成29年度に予定していた基板化の目処もついたので,挽回できると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度に得られたデータに基づいて,性能を向上させたロボットモデルおよび性能を向上させた実機を開発する. これまでのラピッドプロトタイプから,機械加工により加工精度を高め,さらなる性能向上に繋げる.また,先行して着手した電装機器の基板化を本格的に行う.直進・旋回の任意の操縦が可能なものにし,複数台の実機を連携できるようなプラットフォームを完成する.
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