Refinement of Spherical Rotor of Spherical Induction Motor for Improving Efficiency

2018 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 16K06190
• Research Institution: Tohoku Gakuin University
• Principal Investigator: 熊谷 正朗 東北学院大学, 工学部, 教授 (70323045)
• Project Period (FY): 2016-04-01 – 2019-03-31
• Keywords: 球面モータ / 誘導モータ / 効率改善 / 電磁場シミュレーション

Outline of Annual Research Achievements

本研究は、先行研究で開発した球面誘導モータの高効率化に関するものである。前課題で球面モータの３軸の効率の測定が可能になり、極めて低いことが判明したためである。想定された理由は誘導モータとして原始的な鉄層の上に銅層がある構造で、銅層がそのまま磁気ギャップとなって磁束密度が上がらないことであった。その解決をすべく、鉄・銅の六角格子構造をロータ表面に形成する案を試みることとした。
課題は大きく二つに分けられる。同構造を実体として成形する手段と、効率向上を果たす形状である。検証試作を経て、形状については鉄の母材に溝を掘り、溝内に銅の電気的厚めっきをすることで埋め、仕上げ加工をする方法を、実施可能な手段として確認している。ただし、球の場合にはめっき時の銅電極と球の間隔が単純には一様とならず、大きなめっき槽も必要となる課題があり、３次元プリンタで専用のめっき槽を作成することとし、必要な技術試験を行った。
格子構造の検討は、ロータの実試作の回数を低減するために、電磁場シミュレーションで進めた。上記加工手段の加工限界と強度を加味して、平板モデルにおいて、表面における銅・鉄の面積比率(鉄の開口比率)と関連する銅メッシュの幅(溝幅)とメッシュ間隔、深さ(銅厚さ)、最内層の鉄層の厚さをパラメータとして網羅的に実寸でモデル化し、各々励磁周波数－推力の関係を得た。これまでの知見で推力にはある周波数でピークがあり、この周波数も制御にも関わる。また磁気結合が強いほどピークとなる周波数が下がる傾向があるなど、評価指標となる。この結果より、設計指標が得られた。
一方でここまでに大きな遅れがあり、今後も継続して開発・評価を進め、成果を公表する予定である。