2018 Fiscal Year Annual Research Report
Fluid device combining a parylene membrane channel with a fine surface structure and an operating magnetic probe
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16K06195
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
今井 郷充 日本大学, 理工学部, 教授 (20369953)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 液滴搬送 / ロータス効果 / マイクロピラー / 転落加速度 / 突起面積比 / 粘度 / 表面張力 / μ-TAS |
Outline of Annual Research Achievements |
μ-TASなどにおいて微量な液滴の搬送を可能にするための表面設計の指針を得るため,微細な突起を形成した表面における液滴の転落加速度の特性を明らかにした.突起の全面積を基板全面積で割ったものを突起面積比と定義した(以下面積比).面積比と転落加速度の関係,一定の面積比において突起サイズと転落加速度の関係,基板の撥水性や液体の粘度,表面張力による影響を明らかにした.基板はシリコン,突起は15μm角の正方形(高さ約20μm),基板傾斜角を20°とした.液体は水とした(5~20μl). 面積比が小さくなるにつれて転落加速度は大きくなり,面積比が約2%以下では転落加速度は摩擦がない滑り加速度に近い値となった.面積比が約1%以下では、液滴は突起間に落下した.面積比が増加するにつれて転落加速度は徐々に低下し,面積比が20%以上では大きな低下が見られた.突起の面積比を一定にし(約6%)突起のサイズを変化(5~30μm角)させた場合,突起のサイズが小さくなるにつれて転落加速度は増加したが,顕著な増加ではなかった. 基板の撥水性を変化させた場合の影響を調べた.面積比が2%と5%の基板にフッ素プラズマによる撥水処理を行った.この場合に静的接触角は元の155°からわずかに増加したが,転落加速度の変化はほとんどなかった. 液体の粘度および表面張力を変化させた場合の転落加速度を調べた.粘度の変化(増加)はグリセリン水溶液,また表面張力の変化(低下)はエタノール水溶液を用いた.粘度の増加および表面張力の低下により転落加速度は低下したが,面積比を下げることで加速度の低下は抑制でき,これらの液滴においても搬送が促進されることを確認した. なお本測定の面積比において液滴は球状でほぼ滑り挙動であったが,面積比が大きい場合や表面張力が小さい場合は接触面積が増加し,これが転落加速度の低下の要因と考えられる.
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Research Products
(4 results)