2017 Fiscal Year Research-status Report
可変容量直列補償回路を用いた高効率非接触給電システム
Project/Area Number |
16K06207
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
只野 博 筑波大学, 数理物質系, 教授 (30394448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯部 高範 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (50545928)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 非接触給電 / 位置ずれ / 可変容量 / SiC-MOSFET / 力率 / スパイラルコイル / インバータ / 直列補償 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、前年度の結果を受け出力1kWの非接触給電システムを構築し、出力制御法、高効率運転システムに関する検討を行った。1kWの非接触給電システムは、非接触コイルの1次側にSiC-MOSFETをスイッチとしたフルブリッジインバータと、同じくSiC-MOSFETを2個とコンデンサを1個用いた可変容量直列補償回路を有し、送受電コイルはスパイラルコイル、受電はフルブリッジダイオード整流器を用いて直流に変換した後、電池を模擬した抵抗へ電力を供給することで、可変容量直列補償回路を用いた非接触給電システムの性能評価を行った。送受信コイルは、その位置ずれを考慮し、垂直距離を10cmとし、水平方向に最大12.5cmまでずらして評価を実施した。用いたスパイラルコイルの直径は30cmである。また、可変容量直列補償回路をシステム状態に合わせて制御するアルゴリズムを検討した。基本的には、インバータの力率を負荷の状態や位置ずれの状況に合わせて常に最適な力率となる様に制御することで高効率を実現するシステムである。 本システムを用いた実験では、可変容量直列補償回路の有用性を評価するため、従来の固定容量を用いたシステムとのシステム損失の比較を実施した。固定コンデンサを用いる従来方式に比べ、広い出力範囲でシステム損失が小さくなることが確認できた。特に送受電コイルの位置ずれが大きい場合に、本方式は損失を従来方式に比べ低減でき、実験的に本方式の位置ずれに対する有用性が実証された。また、損失要因の解析を行い、本方式では位置ずれが発生しても常に最適力率運転が可能となることから、インバータ部の特にスイッチング損失が大幅に低下していることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1kWの非接触給電システムを構築し、位置ずれに対する効果の検証と損失を最小とする制御アルゴリズムの検討が行えた。最終的に自動調整を実現するところまでには至っていないが、概ね予定通り進んでいると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度の結果を受け、システム全体を高効率で運転するためにシステム制御系の検討を行う、これによって、実システムへの展開が可能なシステム提案が可能となる。特に、制御のための検出すべき情報(電流、電圧等)の検討とそれを制御アルゴリズムに適応するための方策の検討を行う。検証は平成29年度で製作した1kWの実験機を用いて行うが、大容量化した場合(3kW程度)のシステムの机上検討を実施し、普通充電に対応可能なシステムとしての評価を行う。
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Causes of Carryover |
発表を主として国際会議に絞ったため、旅費に余剰が生じた(学会への参加が予定より少なくなった)。平成30年度は、可変容量直列補償回路のシステムとしての性能評価のため、学生を雇用し全体システムを再構築して性能評価を行う予定で、この新システム構築評価用として使用する。
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Research Products
(1 results)