2016 Fiscal Year Research-status Report
磁界分布が異なる走行中非接触給電用共用化トランスの開発
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16K06208
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
金子 裕良 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (10233892)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 非接触給電 / EV / 走行中給電 / 磁界結合方式 / ワイヤレス給電 / 磁界分布 / 共用化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、駐車中のEV用非接触給電と共用可能な走行中非接触給電システムで、かつ地上側の非接触部分の磁界分布が異なる場合(ループコイル方式、円形コイル方式、ソレノイド方式など)でも給電可能な給電コイル(車載用Hc型コアトランス)を研究開発することである。 本年度は、駐車中の非接触給電において磁界分布が噴水形状となる円形コイル方式とアーチ形状となるソレノイド方式の共用化のために提案されたHc型コアトランスの研究成果をもとに、走行中非接触給電用の車載側Hc型コアトランスの形状や寸法について検討し、回路解析と給電実験により最適形状を検討した。具体的には、Hc型コアトランスの形状や寸法による給電特性の比較を行った。駐車中給電用に製作した地上側Hc型コアトランスと磁界分布の異なるトランスの理論解析および実験結果をもとに、車載用のHc型コアトランスの形状と構造について検討し、数種類トランスを試作した。試作したHc型コアトランスの諸係数(抵抗、リアクタンス、結合係数など)をLCRメータにより測定し、等価回路から導いた諸式と回路解析ソフトおよび磁界解析ソフトJMAGを用いて論理的解析を行った。次に駐車中給電で使用した地上側トランスと3kWの給電実験を行い、解析結果と比較検討し、車載側Hc型コアトランスを設計する際有用となる理論式を導出した。 また、異なる地上側コイルに対する給電特性の比較と特性向上法の検討を行った。文献等をもとに走行中給電で使用されている磁界分布の異なる地上側コイル(円形コイル、ソレノイドコイル)を製作し、車載用Hc型コアトランスとのトランス係数を測定すると共に、回路解析ソフトや磁界解析ソフトを用いて論理的解析を行って、給電実験範囲を比較検討した。そして、給電実験を行い駐車中給電との違いを比較した上で、特性向上法を検討し、車載用Hc型コアトランスの改良方法を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
駐車中の非接触給電において磁界分布が噴水形状となる円形コイル方式とアーチ形状となるソレノイド方式の共用化のために提案されたHc型コアトランスについて、平成28年度の計画通り、形状や寸法による給電特性の比較を行い、異なる地上側コイルに対する給電特性の比較と特性向上法の検討を行い、その成果を学会で口頭発表や論文発表した。 ただし、地上側ループコイル方式に対する検討は、シミュレーションにとどまり、給電実験を伴う検証は実施していない。 以上を踏まえて、おおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
地上側ループコイル方式に対する検討を含め、平成28年度の残りの解析と検討を行うと共に、車載側Hc型コアトランスの改良を行う。また、一般的な一次直列二次直列とそれ以外の補償用コンデンサ配置の検討とその値の決定法、およびEV搭載バッテリに適した整流回路の検討と解析、倍電流整流回路などの導入によるトランス性能の変化や性能向上の方法について検討する。 平成28年度の検討では、走行中給電で一般に使用される一次直列二次直列に補償用コンデンサを配置したシステムの検討を行うが、理想変圧器特性が得られる一次直列二次並列など一次直列二次直列以外にコンデンサを配置した場合についても検討し、各々の特性を比較検討する。地上側コイルが飛び石式の走行中給電では車載側トランスとの相対位置により電流電圧の大きさや位相が一定にならないが、車載用Hc型コアトランスの形状や地上側コイルの設置間隔等が異なる場合の補償用コンデンサ値を解析的に決定する方法を検討する。 また、負荷回路(車載側トランスの出力回路)が非接触給電システムに及ぼす影響を検討する。特に、整流回路として倍電流整流回路等を使用した場合の負荷回路と補償用コンデンサ配置との関係や、効率特性や漏洩電磁界等に及ぼす影響を検討する。影響があればトランス本体や補償用コンデンサによる改良法を検討し、車載用Hc型コアトランスを製作する際の設計指針を確立する。
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Research Products
(5 results)