2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K06209
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
近藤 圭一郎 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (10425895)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古関 隆章 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (20211899)
宮武 昌史 上智大学, 理工学部, 教授 (30318216)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 省エネルギー / 出力密度向上 / 回生電力向上 / 電気鉄道 / 鉄道車両 |
Outline of Annual Research Achievements |
蓄電量管理方法の考案と蓄電装置容量と回生電力量向上効果の検討については,蓄電装置のエネルギー量を適正範囲に保ち,必要なときに力行パワーアシストや,回生電力吸収動作が行えることが必要である。そこで,今年度は惰行時には蓄電装置のパワーアシストや回生電力吸収を行わないことから,この期間に蓄電装置のエネルギーマネジメントを行う方法を提案した。この方式について数値シミュレーションで検証を行い,2500V までDCリンク電圧を昇圧させた際に,通常の1500Vの架線電圧で走行する場合に比べて,約7.8%の省エネルギー効果が得ながら蓄電装置のエネルギー管理がなされることを明らかにした。 主回路機器の制御に加え,走行パターンの変化により,蓄電装置の省エネルギー効果最大化する方法についても検討がなされた。この手法は,電動機温度上昇推定に基づいて消費エネルギー面で最適な運転法をオンラインで提案することに寄与することが期待できる。また,電動機(主回路機器)温度上昇推定のベースとなる,主回路機器損失モデルの導出も行い,オンラインでの温度上昇の推定根拠を明らかとした。 電動機電圧可変時の誘導電動機出力最大化設計法の明確化については,外形寸法制約内で,導体寸法を増やし,固定子鉄心寸法を減少させる方法について検討を行った。その結果,固定子鉄心のバックヨークの磁気飽和の限界まで鉄心寸法を減少させ,銅損一定の条件下で,導体断面積を増加させた場合,固定子のトルク電流は約30%の向上が可能であることがわかった。したがって,誘導電動機設計の変更で,この分だけ,出力密度の向上が可能であることが明らかとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
蓄電量管理方法の考案と蓄電装置容量と回生電力量向上効果の検討については,一定の省エネルギー効果が明らかとなり,回生電力向上効果が明らかとなった。 オンライン電動機温度上昇推定に基づく省エネルギー運転法の検討については,実際の損失のモデル化がなされ,具体的な温度上昇計算の準備ができた。 電動機電圧可変時の誘導電動機出力最大化設計法の明確化については,出力密度向上策が明らかとなり,当初の目論見が達成し得ることを明らかとした。
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Strategy for Future Research Activity |
蓄電量管理方法の考案と蓄電装置容量と回生電力量向上効果の検討については,引き続き電池容量および主回路動作の検討を進める予定である。 また,オンライン電動機温度上昇推定に基づく省エネルギー運転法の検討については,求めた損失モデルを用いて、温度上昇の推定シミュレーションを行い,出力向上の限界を明らかにする予定である。 誘導動機電圧可変時の誘導電動機出力最大化設計法の明確化については,固定子巻線の巻数を減らした場合の出力密度向上策について検討を行う。 以上の結果と,これまでの成果も踏まえ,本年度は本課題最終年度であることから,総合的な省エネルギー効果について検討を行う予定である。
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Research Products
(3 results)