2016 Fiscal Year Research-status Report
高温超伝導ケーブル内の各層に生じる交流損失に基づく損失低減のための設計法の開発
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16K06212
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| Research Institution | Niigata University |
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Principal Investigator |
小川 純 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (60377182)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | 高温超電導 / 交流損失 / ケーブル |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本計画は高温超伝導ケーブル内の各層に生じる交流損失をもとに、ツイストピッチ、電流バランス、線材の種類を最適化するための基礎データの取得と設計法の提案を目的として研究を実施している。H28年度の実施内容は，高温超伝導ケーブル内の交流損失分布を導出することを目的として，二層ツイスト高温超電導ケーブルを作成し，各層における交流損失特性を評価した。測定方法は測定区間を発泡スチロールにより断熱を行い，損失による温度上昇を熱電対を用いて測定し，ある電磁条件における損失を導出する方法を用いた。具体的には作成したサンプルの内層と外層それぞれに断熱区間を設けその表面に熱電対を固定した。サンプルは内層と外層をそれぞれ電気的に独立させ２電源を用い内外層の電流バランスを変化させそれぞれの層の損失評価を実施した。評価したサンプルは外層Z撚り，内層S撚りで外層のツイストピッチが異なるケーブルの評価を実施した。外層のツイストピッチが異なることによりケーブル軸方向に生じる縦磁界の大きさが異なることが観測された。また，電流のバランスを変化させた結果，電流バランスが外層に比べ内層の電流負荷が大きい時に損失が最小となることが示された。この方法により超電導ケーブル内の電磁条件を模擬し，交流損失を評価することが可能であることが示された。外層と内層のツイストピッチを逆にしたもののデータを追加し，より詳細な特性について検討を行う予定である。また，このサンプルのさらに外に３層目を配置することにより当初計画していた３相同軸高温超電導ケーブルの損失評価を実施する予定である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画どおり高温超電導ケーブルを模擬したサンプルを作成し，各層における交流損失評価を実施した。この結果，超電導ケーブル内の損失がツイストピッチにより影響を受けていることを実験的に証明することができた。また，現有設備で３相通電が可能であることは確認しており，次年度にケーブルを作成する予定である。また，周方向磁界と縦磁界を印加可能な実験装置の設計を行った。この装置より得られた結果と二層高温超伝導ケーブルの電磁界条件より損失の比較を実施し，高温超電導ケーブル内の高温超電導線の交流損失の一般的な振る舞いについて調査を行う。
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| Strategy for Future Research Activity |
ツイストが施されている円筒配置の高温超電導線の交流損失特性を定量的に評価するため，縦磁界をソレノイドコイル，周方向磁界を複数本の高温超電導線を用いた実験システムの設計を実施した。これにより円筒状に配置された超電導線に電流値，磁界の大きさ，磁界の方向をパラメータとして損失を評価することが可能である。また，３層目を設置し測定を実施する予定である。また，ケーブルの長さが交流損失特性に影響を及ぼすかを確認するため，長尺のケーブルを徐々に短くしていき長さの影響について調査を実施する予定である。
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| Causes of Carryover |
3月15日―17日の電気学会全国大会の旅費の処理が間に合わず差額が発生した。年度内に旅費を清算しているため実質的にはゼロである。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度に会計処理が間に合わなかったためゼロとなっていないためであり，既に使用されているため特に計画はない。
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Research Products
(4 results)
