2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K06214
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
田岡 久雄 福井大学, 学術研究院工学系部門, 教授 (30367502)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 浩貴 福井大学, 学術研究院工学系部門, 講師 (50435426)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 風力発電システム / 同期化力インバータ / 疑似ガバナ制御 / 二次励磁誘導発電機 |
Outline of Annual Research Achievements |
電力系統の周波数調整能力は、系統接続された同期発電機によって付与される。これより、従来同期発電機が担当していた部分が再生可能エネルギー電源に置き換わると、電力系統の環境性が向上する反面で、安定供給性が著しく低下する結果に繋がりかねない。本研究では、風力発電システムの二次励磁誘導発電機(DFIG)に用いられる電力変換装置に擬似ガバナ制御機構を搭載すると共に、先行研究で開発した同期化力インバータ技術を併載することで、系統周波数調整機能を具備した新しい風力発電システムを開発するものである。 今年度は、昨年度検討した擬似ガバナ制御に加えて、急激な回転子角速度の変化を抑制し、周波数調整機能を向上させる新しいピッチ角制御を開発した。風力発電システムにおいて、有効電力出力を調整するためには、誘導発電機の回転子電流を調整する必要がある。しかし、回転子電流の変化は、回転子角速度に関係する電磁トルクの変化をもたらす。このため、著しい系統周波数の変化が生じた場合、風力発電システムの有効電力出力の変化により、回転子角速度が急激に加速,または減速することになる。風力発電システムにおいて、回転子角速度の加減速に対応するのはピッチ角制御機構である。 そこで、ガバナ制御部の出力を用いた新しいピッチ角制御方式を提案し、計算機シミュレーションを行って、周波数調整機能による回転子角速度の上昇を抑制できたことを確認した。その結果、周波数調整機能を停止または、風力発電システムを系統から切り離さなければならないような系統周波数の変動が起きた場合であっても、風力発電システムは周波数調整を持続することができることが示され、提案したピッチ角制御が、周波数調整能力の強化に貢献することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度、周波数制御のためのピッチ角制御を提案し、計算機シミュレーションにより周波数調整能力の強化に貢献することを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度提案したピッチ角制御は、周波数調整能力の強化に貢献することを確認できたが、ピッチ角制御の機械的な制約により、負荷解列直後の回転子角速度の上昇は十分に抑制できていない。そこで今後、系統周波数変動直後の回転子角速度の変化を抑制する手法を考える。その上で、同期化力インバータ・疑似ガバナ・ピッチ角制御などの制御系を組み入れた総合的性能試験用シミュレーションモデルを構築して計算機シミュレーションを行い、開発技術の機能、効用を分析する。
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Causes of Carryover |
(理由)海外での調査が近隣国であったため。 (使用計画)成果を発表する機会を多くする予定である。
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Research Products
(2 results)