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2017 Fiscal Year Research-status Report

次世代型多機能カプセル内視鏡に適用可能なマイクロ磁気アクチュエータ技術の確立

Research Project

Project/Area Number 16K06228
Research InstitutionKyushu Institute of Technology

Principal Investigator

本田 崇  九州工業大学, 大学院工学研究院, 教授 (70295004)

Project Period (FY) 2016-04-01 – 2019-03-31
Keywordsカプセル内視鏡 / 永久磁石 / 外部磁界 / 細胞診 / 生検 / 薬剤散布 / 磁気トルク
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、(1)診断・治療機能を有する次世代型多機能カプセル内視鏡に搭載するマイクロ磁気アクチュエータの開発と、(2)それを外部磁界で制御するための個別駆動システムの確立であり、研究期間を3年間として実施計画を立案した。2年目となる本年度は、初年度に引き続き、細胞診機能、生検機能、投薬機能の3機能を取り上げ、それぞれに適したマイクロ磁気アクチュエータの開発と評価を行った。いずれの機能も昨年度、ボルトとナットを基本構造とする磁気アクチュエータを採用した結果、外部からの回転磁界によるワイヤレス駆動を実現することができたが、本年度はとくに実際に近い環境、具体的には食用のブタ小腸を水槽内に沈め、実際に内圧が印加されている状態を模擬して評価を行った。
また、上記3機能の実現のためには処置具の位置決めや消化管の蠕動運動に逆らってその場に停滞する機能(停滞機能)が求められる。本年度はそれらの付加機能についても並行して検討を行った。停滞機能については、カプセル筐体の一部を拡張する機構を考案した。本機構は開発済みの細胞診機能と投薬機能のアクチュエータ構造をそのまま活かしながら構成することができる特徴があり、内圧環境下での動作及び十分な停滞能力があることを実験で確認した。一方、生検機能と停滞機能との組み合わせでは、2つの磁気アクチュエータを使用し、両者を駆動する回転磁界の回転面を直交させることで、それぞれを独立に駆動することに成功した。位置決め機能についてはカプセル本体を磁気トルクで回転させて処置具の位置を合わせる手法を検討し、内圧が加わった環境における動作を確認した。これらの成果は、本研究の目指すカプセル型医療機器の多機能化の実現に対して重要な知見となると考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は初年度に開発した細胞診機能、生検機能、投薬機能を引き続き取り上げ、細かな改良と実際に近い環境下での評価を行った。同時に、これら3つの機能の実現に不可欠な停滞機能、位置決め機能、自走機能について検討を始め、機能の組み合わせ(多機能化)を検討した。このうち、細胞診機能・生検機能・投薬機能に対し、停滞機能と位置決め機能の組み合わせについてはブタ小腸内での評価まで実施し、当初の計画よりも早く進捗している。一方、自走機能に関しては動作を確認しているものの、評価が十分にできていないため、3年目の最初に集中的に実験を行い、遅れを取り戻す予定である。
なお、いずれの機能の研究成果も学会等で発表し、研究成果を公開した。とくに生検機能については停滞機能と組み合わせて評価した成果をロボット関連の英文学術誌に投稿し、2018年4月に掲載された。
以上、一部の機能の評価で若干の遅れがあるものの、総合的に判断し本研究はおおむね順調に進展していると判断することができる。

Strategy for Future Research Activity

今後の実施計画であるが、まず遅れている自走機能について評価を行っていく。当初の研究計画では螺旋体をカプセルに巻きつけた構成を想定したが、外径が大きくなってしまうことが課題であった。この対策としてカプセル筐体に螺旋構造の溝を掘るなど外径が変化しない構造を検討する予定である。さらに溝を掘った筐体を拡張する停滞機構を実現し、細胞診機能・生検機能・投薬機能との組み合わせを行う予定である。
続いて、当初計画に従って、3次元磁界発生システムの構築を行う。これは任意の方向に直流磁界、交流磁界、回転磁界を発生させるシステムである。3軸のヘルムホルツコイルとシグナルプロセッサの準備は整っているので、制御プログラムの作成と直感的に操作が行えるようなマンマシンインターフェイスを考案する予定である。

  • Research Products

    (6 results)

All 2018 2017

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (5 results)

  • [Journal Article] Fabrication of Magnetically Driven Biopsy Mechanism Applicable to Capsule-Type Medical Device2018

    • Author(s)
      Toshiki Matsui, Satoshi Murata, and Takashi Honda
    • Journal Title

      Journal of Robotics and Mechatronics

      Volume: 30 Pages: 292-299

    • DOI

      doi: 10.20965/jrm.2018.p0292

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] 回転磁界で駆動する生検機構を備えたカプセル型医療機器の試作2017

    • Author(s)
      松井利樹
    • Organizer
      第29回「電磁力関連のダイナミクス」シンポジウム(SEAD29 in 倉敷)
  • [Presentation] 胃腔用磁気誘導カプセルの試作2017

    • Author(s)
      本田崇
    • Organizer
      第41回 日本磁気学会学術講演会
  • [Presentation] 拡張アンカーと細胞診ブラシを搭載したカプセル型医療機器の提案2017

    • Author(s)
      山崎悠貴
    • Organizer
      平成 29 年度電気・情報関係学会九州支部連合大会
  • [Presentation] 次世代型カプセル内視鏡のための磁気駆動生検機構の試作2017

    • Author(s)
      松井利樹
    • Organizer
      平成 29 年度電気・情報関係学会九州支部連合大会
  • [Presentation] カプセル型医療機器に内蔵する磁気駆動薬物送達機構の開発2017

    • Author(s)
      富永洋平
    • Organizer
      平成 29 年度電気・情報関係学会九州支部連合大会

URL: 

Published: 2018-12-17  

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