2017 Fiscal Year Research-status Report
電磁界数値解析とトポロジー最適化を併用した電気機器の革新的最適設計システムの構築
Project/Area Number |
16K06240
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
岡本 吉史 法政大学, 理工学部, 准教授 (40415112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若尾 真治 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70257210)
圓谷 友紀 福岡大学, 工学部, 助教 (50782330)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 電気機器 / 磁界解析 / トポロジー最適化 / 有限要素法 / 並列計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度の研究実施計画は,1. 電気回路方程式を強連成した時間領域非線形渦電流問題における随伴変数法の開発,2. 複数の磁性材料を考慮したマルチマテリアルトポロジー最適化手法の開発,3. 有限要素法の高速大規模並列化,を策定していた.各研究項目の達成度を下記する. 1. 電気回路方程式を強連成した時間領域非線形渦電流問題における随伴変数法の開発 本項目では,電気回路方程式との連成を行う前に,時間領域渦電流問題(誘導加熱問題)を想定し,時間領域随伴変数法の実装に成功した.本手法は,静磁界問題の場合と同様,高精度に感度解析を行えることが明らかとなった.また,磁気非線形性を考慮することにも成功し,今後,CEFC や COMPUMAG 等の計算電磁気学関連の国際会議で発表する.なお,電気回路方程式との連成までは到達していないが,来年度中に,ヒステリシス現象の導入とともに,達成する予定である. 2. 複数の磁性材料を考慮したマルチマテリアルトポロジー最適化手法の開発 テーマ 1 に磁気非線形性を考慮した時間領域随伴変数法のコード作成に,相当な時間が必要となり,本項目に関する進捗はそれほど芳しくない.ただし,永久磁石式同期電動機等のロータにおいて要求される力学特性を考慮するため,構造解析を援用したマルチフィジクストポロジー最適化の基礎部分が完成した. 3. 有限要素法の高速大規模並列化 電気機器の特性解析において,有限要素解析を高速化する場合,空間方向の大規模並列化が挙げられるが,昨年度に達成することができたため,今年度は時空間方向の並列化に取り組んでいた.その基礎的な進展として,時間周期境界条件を考慮した時間周期有限要素法の逐次コードの開発に成功した.今後,本コードの大規模並列化による実規模三次元トポロジー最適化手法を開発できる礎となった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マルチマテリアルを考慮した設計手法の開発に遅れが生じているものの,難題であった磁気非線形を考慮した時間領域渦電流問題に対するトポロジー最適化手法を開発することができたため,設計手法としての適用範囲が大きく広がった.また,電気機器の有限要素解析において,時間周期境界条件を考慮した方法の逐次実装が完了し,大規模計算への礎が整い,来年度予定している研究への接続が,スムースになると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
本プロジェクトでは,最終的に,様々な電気機器を設計対象としたシステムの構築も研究のフレームワークに含めている.よって,磁気エネルギー,インダクタンス,トルク,渦電流損,鉄損等の様々な目的関数・制約条件を考慮した随伴変数法のライブラリー化が必要となる.目的関数の感度解析は,本プロジェクトの土台であり,これの整備に可能な限り多くの時間を費やす予定である.
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Causes of Carryover |
(理由)自作 PC 等の研究物品費用を比較的安価に抑えることができた.
(使用計画)磁気ヒステリシスを考慮したトポロジー最適化の実現を目標として,磁気特性測定装置による磁気ヒステリシスデータの測定が必要である.前年度の残額を磁気測定装置構築に充当し,その他の予算については,予定通り使用することを想定している.
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