2016 Fiscal Year Research-status Report
配電系統における高調波伝搬・拡大現象の解析と発生源推定手法および抑制手法の開発
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16K06241
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
川崎 章司 明治大学, 理工学部, 専任准教授 (90262609)
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Project Period (FY) |
2016-10-21 – 2019-03-31
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Keywords | 電力工学 / 電力系統工学 / 高調波 / 高調波伝搬 / 高調波発生源 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,再生可能エネルギーや電気自動車,多様化している負荷などの電力系統への大量導入により,益々複雑化している配電ネットワークにおいて,不確定要素が多く未だ解決されていない高調波の伝搬や拡大現象の解析,ならびに,高調波発生源の推定手法の確立および高調波抑制手法の開発を目指すものである。本目的達成のために,模擬配電系統実験設備を拡大構築し,実験および数値計算シミュレーションの両面から高調波に関する様々な解析・検証と開発を行う。 平成28年度は,再現性のある任意の高調波を重畳できるプログラマブル交流電源,配電線路装置,太陽光発電模擬用の直流電源,パワーコンディショナ開発装置,および様々な負荷を模擬できる電子負荷装置から成る既存の模擬配電系統実験設備に,単相のプログラマブル交流電源1台を追加して単相三線の低圧配電系統を構築した。また,上記の直流電源と市販のパワーコンディショナ,電子負荷装置,および高調波発生装置を追加して拡張した実験設備を構築した。高調波発生源ともなる,直流電源およびパワーコンディショナ開発装置から成る太陽光発電システムに加えて,新たに高調波発生装置を追加して再現性のある複数の高調波発生源を持つ模擬配電系統を構築することにより,低圧配電系統における高調波の伝搬および拡大現象について実験およびシミュレーションの両面から解析を行い,その問題点を把握した。 今年度に得られた研究成果は,平成29年3月開催の電気学会全国大会において発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記項目「研究実績」に記載した内容と,交付申請書における平成28年度計画内容とがほぼマッチしているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は,昨年度に得られた解析結果を基に,低圧配電系統における高調波の伝搬,および負荷装置や調相設備などの各装置への高調波の流入量および流出量の導出手法の開発を行う。関連して,高調波発生源の推定手法の開発を行う。具体的には,前年度に構築した複数の高調波発生源を有する模擬配電系統実験設備を用いた実験により得られた電圧,電流,電力などの測定結果を基に,配電系統の多地点の高調波電圧,高調波電流を解析することで,高調波の伝搬およびそれに基づく高調波の流入量・流出量の導出を試み,導出手法の確立を目指す。並行して,配電系統に複数存在する高調波発生源の推定の可能性を探り,発生源推定手法の開発に取り組む。開発する高調波の流入量・流出量の導出手法および発生源推定手法は,随時,実験およびシミュレーションの両面から有用性について検証し,評価と改良を行っていく。 また,得られた研究成果は,国内の関係学会,研究会や,国際学会で発表していく。
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Causes of Carryover |
交付内定の知らせをいただいた時期が10月後半であったため,申請時点での使用計画どおりには執行できなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度に執行できなかった分は,今年度分の物品費等と合わせて執行する予定である。
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Research Products
(2 results)