2017 Fiscal Year Research-status Report
EV/HEV向け脱レアアース高トルク磁束変調同期モータの開発
Project/Area Number |
16K06244
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
深見 正 金沢工業大学, 工学部, 教授 (60247434)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 回転機 / モータ / 電気自動車 / ハイブリッド電気自動車 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】 レアアース永久磁石を使用しない新原理/新構造の磁束変調同期モータを研究する。本モータの要素研究を格段に発展させることによって,より低コストの電気自動車/ハイブリッド電気自動車走行用のモータを実現し,地球規模の環境・エネルギー問題解決に貢献する。 【研究実施計画】 有限要素解析(FEA)を用いて,磁束変調同期モータの性能(特にトルク)を高めるために,次の二つの方法を検討する。(1)回転子設計(形状と種類)の変更,(2)モータ構成の変更 なお,平成28年度から,実施計画を一部変更している。すなわち,構造調書で記した実験機の製作は取り止め,その代わりに,FEAを用いて,上記(1),(2)を検討している。 【平成28年度に実施した研究】 前記(1)に関して,次の三つの事項を検討した。① オフセットによる突極形状の変更,② 回転子突極部へのダンパ巻線の装着, ③ フラックスバリアおよびセグメント形回転子の適用 【平成29年度に実施した研究】 前記(2)に関して,モータの内部空間を有効活用できる固定子分割型と外転型の二つの構成を検討し,これらの性能を比較した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
【平成28年度】 まず,回転子の突極形状をオフセットにより変更した場合の効果を調べた。調査の結果,オフセットを設けることで,逆起電力波形をほぼ正弦波にすることができ,コギングトルクや負荷時のトルク脈動の低減に,きわめて有効なことが判明した。次に,回転子突極部へのダンパ巻線の装着を検討した。その結果,当該モータでは,電機子巻線が集中巻であるため,これによる起磁力高調波(特に第2空間高調波)の影響でダンパ巻線に不必要な電流が流れ,思うような性能向上が図れないことがわかった。最後に,回転子にフラックスバリア形およびセグメント形構造を適用した場合について,それぞれの性能を検討した。その結果,いずれの回転子もトルクは,従来の単純な突極回転子のものとほぼ同等となり,これらの回転子を適用してもトルク向上を望めないことがわかった。 【平成29年度】 固定子分割型(電機子巻線と界磁巻線を別々の固定子に設けた構成)と外転型の構成を検討した。その結果,いずれの構成も従来の内転型に比べて,モータの内部空間が有効に活用でき,スロット面積が拡大して,高トルク化できることがわかった。これに加えて,外転型にすると,固定子分割型に比べて,構成が簡単なだけでなく,損失の低減と効率の向上が図れることがわかった。
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Strategy for Future Research Activity |
【今後の推進方策(手段・方法)】 磁束変調同期モータの高性能化(特に,トルク化)を目指して,平成29年度に引き続いてモータ構成の変更について検討を進める。具体的には,当該モータの内部空間を有効活用する方法として,モータ構造を従来のラジアルギャップ型からアキシャルギャップ型に変更して,電機子巻線と界磁巻線の銅線量を増やして,当該モータの高トルク化を検討する。 【計画の変更(遂行上の課題)】 遂行上,大きな問題点はない。
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Causes of Carryover |
【理由】 平成29年度は,研究計画を変更して,実験機の試作を行わなかった。これに変えてモータ設計をよりスムーズに行うために,研究費はFEAのシミュレーションのソフトとハードウエアの入れ替えなどに使用した。このため,次年度の使用額が生じた。 【使用計画】 平成30年度は,研究の最終年度であり,研究費は,成果発表の費用などに使用する。
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Research Products
(1 results)