2017 Fiscal Year Research-status Report
マルチレベルインバータを用いた低周波送電変換器の開発
| Project/Area Number |
16K06246
|
|---|
| Research Institution | Shizuoka Institute of Science and Technology |
|---|
Principal Investigator |
中田 篤史 静岡理工科大学, 理工学部, 准教授 (70635028)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
| Keywords | 低周波送電 / 多重インバータ / 海底ケーブル |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
低周波数送電を行うために最適なインバータをシミュレーションにて検討し、マルチレベルの出力電圧をえるためには多重インバータ方式が良いと判断した。多重インバータには様々な周波数の高調波が微量ではあるが含まれ、キャリア周波数とケーブルの共振周波数との兼ね合いが重要となる。。海底ケーブルとして使用するCVケーブルが持つLC成分の共振周波数付近でこの電圧高調波成分によって大きな共振電流が流れる可能性があることをシミュレーションにて明らかにした。
5Hzの送電電圧に対してスイッチング周波数を上げ、共振周波数付近の高調波を低減する方法が望ましいが、スイッチング周波数が上がりすぎると素子のON時のロスやスイッチングロスが増加してしまう。共振電流をダンピング制御にて抑制する方法とその電流を抑制可能なキャリア周波数を組合せ、できるだけスイッチングロスを減らすための制御法を現在検討中である。同時にミニモデル実験装置も製作中であり、多重化するための変圧器の製作、短絡開放試験によってその特性を調査した。これら変圧器とインバータ4台を組み合わせて多重インバータを製作し、その出力電圧の確認は完了した。
まだ長距離ケーブルを模擬した系統に接続していないため、実験結果は得られていない。現在様々な条件、特にデジタル信号処理時の挙動や保護時の挙動等をシミュレーションにて検討をしており、実験でもシミュレーション結果と比較できるような状況を作れるように進めている最中である。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
長距離ケーブルのインダクタンスを模擬するための低周波用リアクトル６台を製作依頼しているが、まだ手元に届いていない。実験は少し遅れ気味であるが、シミュレーション等による設計上の検討は順調に進んでいる。
これまでに得られた成果をICEE国際会議に投稿した。6月末に発表を行う予定。
|
| Strategy for Future Research Activity |
本研究では洋上の太陽電池等で得られた電力を海底ケーブルを用いて長距離送電するために低周波数送電が良いと言うことを検討している。シミュレーション上の検討、ミニモデル実験等で基本回路を検討し、送電という部分は確立できると思われる。しかしながら、長距離送電した低周波の電力を受電し、50,60Hzの商用周波数の系統に連係する手法はまだ検討すら行っていない。本研究による送電検討が終了したら、改めて受電部分の検討を新規テーマで申請をする予定である。
|
| Causes of Carryover |
ケーブルを模擬するためのリアクトル６台を手配しているが、まだ製作が修了していない。昨年国際会議に投稿したが、アクセプトされなかったため、予定の予算を消化できなかった。
|
