2016 Fiscal Year Research-status Report
マルチデバイスワイヤレス給電を実現する新しい対数螺旋構造コイルの開発
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16K06249
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Research Institution | Hachinohe National College of Technology |
Principal Investigator |
野中 崇 八戸工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (00390386)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ワイヤレス電力伝送 / 対数螺旋 |
Outline of Annual Research Achievements |
マルチデバイスワイヤレス給電の対数螺旋構造をもつ送電コイルについて、外径部・内径部・中間部の3構造に分割し、結合係数kの数値計算による検討を行った。外径部と内径部のコイルは同心円状とし、外径部と内径部を接続する中間部を対数螺旋コイルとしたモデルとした。また、受電コイルは外径40mm固定とした。 計算結果より、外径部・内径部・中間部の効果は、外径部で全体の結合係数の大きさを決定するとともに、電力伝送可能な範囲の基準となること、内径部と中間部で結合係数分布のばらつきを平坦化にする効果があり、さらに内径部は受電コイルのサイズとほぼ同サイズとなることを確認した。 対数螺旋構造を含むコイルにおいて、計算結果と確認の実測結果計算結果の特性と実測の特性から、横方向位置特性はの角度によって結合係数分布にやや違いがあること、円形巻線間を結ぶ部分の巻線に起因する違いであり,それぞれの角度について計算結果と実測結果の特徴が類似していることが確認でき、理論計算に対数螺旋構造コイルの特性を再現できることを確認した。 外径部・内径部・中間部の3構造の役割を明確にしたことにより、送電コイルの設計手順を決定することができ、目的に応じた送電コイルを作製することが可能になった。対数螺旋構造コイルの結合係数の計算手法を確立したことにより、また、各部における最適な巻数、位置を設計することが可能になった。 伝送効率の向上を検討する上で、効率に関連する結合係数を算出できることから、もうひとつの効率に関連するパラメータである抵抗値を算出することが今後の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は、数値計算による解析を中心に、計算手法の確立と外径部・内径部・中間部の3構造の役割を明らかにすることとし、実施できている。
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Strategy for Future Research Activity |
ワイヤレス電力伝送の効率に大きく関連するコイルのQ値について、計算による検討を追加し、結合係数とQ値の2つのパラメータから、解析を進めていく予定である。また、数値計算による検討結果から、コイルを試作し、実験による検証を行う。 複数の機器への給電を想定し、受電コイルサイズと給電電力との関係について、数値計算による解析と試作実験を行う予定である。
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