2018 Fiscal Year Annual Research Report
Magnetic plasmonic materials based on precisely controlled localized-plasmon resonance: development of magnetic sensors
Project/Area Number |
16K06273
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
安川 雪子 千葉工業大学, 工学部, 准教授 (10458995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
劉 小晰 信州大学, 学術研究院工学系, 教授 (10372509) [Withdrawn]
森迫 昭光 信州大学, 工学部, 特任教授 (20115380) [Withdrawn]
小林 政信 千葉工業大学, 工学部, 教授 (70296325)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 電気電子材料 / 磁性薄膜 / 磁気光学効果 / プラズモン効果 / 貴金属ナノ粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
磁気光学効果の1種である磁気カー効果(MOKE)を示すTbFeCo磁性膜と貴金属ナノ粒子によって励起される局在表面プラズモン共鳴現象を利用した「TbFeCoプラズモニック材料」を開発することを目的として研究を実施した。この材料を超高感度な磁気センサ材料へと繋げることが本研究の最終的な将来目標である。従ってMOKEの飛躍的な増大がキーポイントになると考え、TbFeCo磁性膜のMOKEの増大に焦点を当てた研究を実施した。具体的にはTbFeCo磁性膜とAuナノ粒子を複合することで、ナノ粒子の局在表面プラズモン共鳴波長において粒子近傍に発生する近接場と周囲のTbFeCoを強固に結合させてMOKEを増大するTbFeCoプラズモニック材料の開発に焦点を当てた。 本研究を通し、材料表面から光を入射するとAuナノ粒子に由来する構造的な凹凸がMOKEに影響を及ぼしてしまい本質的なMOKEを評価できないことが明らかになった。またTbFeCo磁性膜とAuナノ粒子が直接界面を接することで、プラズモンの効率的な伝搬が阻害されてしまうことや基板と材料構成元素の界面における原子拡散が示唆された。そこで最終年度ではこれらを克服するために、基板にガラスを利用し、基板側から材料に光を入射することとした。またTbFeCo磁性膜とAuナノ粒子界面に極薄の誘電膜を挿入し、プラズモニック材料全体の構造を再設計した。その結果、当初本研究で作製した構造のプラズモニック材料よりも凡そ1.5倍のMOKEの増大を達成した。 従来は基礎研究が主流であったプラズモンに関連する現象を、本研究では積極的に工学的に応用することを狙っており、プラズモンの学術分野を工学的に拡張する観点からも意義があると考えている。
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