2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K06283
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
吉武 道子 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 半導体デバイス材料G, 主席研究員 (70343837)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | コンタクトプローブ / 非破壊 / 電気測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
グラフェン、厚さ4nmのPt膜など、非常に薄い膜を壊さずに電気的コンタクトを得ることができるプローブを開発したが、そのうち、コンタクト部の材料が、Au、Pt、Cuのプローブについて、電気コンタクト面積を望みの大きさに制限したプローブを開発した。 作成した通常のAu、Pt、Cuのプローブを、絶縁性のレジスト膜でコーティング後、望みの電気コンタクト面積になるように、レーザーリソグラフィーによるレジスト膜を感光し、感光部を現像液により溶解して除去することにより、レーザーが照射された部分のみ下地のAu、Pt、Cuの表面が露わになり電気的コンタクトするという方法である。 このプローブによる繰り返し電気コンタクト形成の耐性(レジスト膜の剥離、試料へのダメージなどが起こらない)を良好なものにするため、レーザーリソグラフィー前後のレジスト膜の作製条件などを検討した。その結果、塗布したレジスト膜をレーザー照射前にプレベークし、レーザー照射後現像前にポストペークを行うと良いことを見出した。 このようにして作製した面積制御型プローブを用いて、絶縁体膜上に蒸着により作製したPt膜の電気抵抗値の測定を行った。その結果、プローブ材料を問わず、電気コンタクト面積を問わず、Pt膜との間に良好なオーミックコンタクトが形成されていることが明らかになった。 また、このプローブを用いて抵抗スイッチ型メモリ材料であるNiOの電気抵抗を測定した結果、プローブはNiO表面に存在する粒界由来の凹凸の凸部にのみ電気コンタクトし、粒界の凹部に存在する低抵抗層には接触せず、非常に良好な抵抗スイッチ挙動を示すことが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
面積制御型のプローブ作製方法が確立できた。
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Strategy for Future Research Activity |
電気コンタクト面積の設計値に対して、実際のコンタクト面積の計測方法の開発、実際のコンタクト面積がどの程度ばらつくか、バラツキに偏りは無いか、など、信頼性の確立。
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Causes of Carryover |
2月に依頼された講演への出張において、旅費の精算により当初予定額と差額が生じ、その差額は消耗品購入に充てる予定だったが、所属機関の経理システム事情により伝票発議がかなわなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
「次年度使用額(B-A)」欄の助成金は、現在在庫がゼロになっているプローブ作製のための材料購入に充てる。また、当初計画の助成金は、電気コンタクト面積の実測に使用するデバイスや機器の部品購入、面積制限のためのリソグラフィー委託、研究成果発表のための旅費などに充てる予定である。
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