2016 Fiscal Year Research-status Report
磁界共振結合型無線電力伝送における動的な人体防護方式に関する研究
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16K06335
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川原 圭博 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 准教授 (80401248)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅見 徹 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 教授 (00436560)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 無線電力伝送 |
Outline of Annual Research Achievements |
無線電力伝送における動的な人体防護方式を目的とし、磁界共振結合型無線電力伝送における電磁界強度の制御の問題に取り組んだ。本研究で応用先として想定される電子機器は、ある程度の電力を必要とし移動しながら使用するものも多いので、磁界共振結合方式が最も適していると考えられる。以降は無線電力方式として磁界共振結合方式を考えることとする。これまで共振器から生じる磁界分布がループ電流の足し合わせで近似できることを手がかりとし、各種共振器の設計を実現して来た。 本年度は、漏洩電磁界が受電機器の負荷インピーダンスに依存して変化することを利用し、負荷インピーダンスを送電効率が最大となる時の値から変化させることで、送電効率の低下を許容範囲に抑えながらも、漏洩電磁界を低減させることができる手法を提案した。シミュレーションでは受電側負荷インピーダンスによって電磁界分布が変わり,送電効率最大となる負荷インピーダンスの場合よりも、最大電磁界が小さくなる負荷インピーダンスが存在することを確認した。今回使用した送受電器は直径 20 cm,送受電器間距離 0.5 cm,巻き数 1 のコイルのほか、卓上給電を想定し、受電器は外径 5 cm,内径 4 cm とし,巻き数は 5 巻とした場合も検討した。ともに共振周波数は6.78MHzである。シミュレーションの結果、回路的な磁気エネルギーが最小となる負荷インピーダンスの場合では、送電効率最大の場合比べて送受電間距離が数 mmから数 cm と近い時に、漏洩電磁界が規制値内でおさまる最大送電可能電力は 最大 1.3 倍に増加した。一方、送電効率は 0.99~1.0 倍とほぼ低下しなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
特に問題なく計画通り、研究を進める。
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Causes of Carryover |
購入予定であった電磁界シミュレータが既存の設備で引き続き利用可能であった。 また、より研究としての完成度を高めてから高インパクトな成果発表を行うため、現段階での研究発表を見送ることとしたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
シミュレータを購入する代わりに翌年度に実装試作を行うことで手法の有効性をしっかり示す。 また、国際会議やジャーナルなどで研究成果を発表して行く。
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