2016 Fiscal Year Research-status Report
シリコン細線導波路による光離散フーリエ変換器の設計と実装
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16K06345
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
塙 雅典 山梨大学, 総合研究部, 教授 (90273036)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 光符号分割多重 / シリコン細線導波路 / 光学的離散フーリエ変換 / フォトニック結晶導波路 / 光遅延線 |
Outline of Annual Research Achievements |
シリコン細線導波路上に構成した2段縦続接続型非対称マッハツェンダ干渉計(2-AMZI)を基礎とするSi基板型光符号分割多重(以後OCDM と略記)伝送システム用多チャネル一括光学的フーリエ符号化・復号化素子(以下ODFT と略)に関する研究を行った。シリコン基板と光ファイバの結合系を構築し,素子単体の特性評価を行う環境を整えるのと並行して、主要素子の一つであるシリコン細線型光遅延線の小型化と、非接触型のシリコン基板内光強度モニタについて基礎的な数値解析を行った。
先ず、Si基板に光信号を導入・導出するための光学系の設計を行った。この光学系は左右に入出力用のレンズ光ファイバを保持する6軸の可動ステージを備え、その中央に2mm×8mmのシリコン基板用ホルダと、基板に制御用電極を結合する電極ホルダを備えた構成とした。この光学系を用いてSi基板に光信号を導入・導出する実験を行ったところ、結合損失が大きめ(20dB)ではあるものの、入出力が可能となったことを確認した。また、この実験結果より、Si基板の設計に複数の問題があることが明らかとなった。具体的には、遅延線の遅延時間の設計値との乖離、強い偏光依存損失による素子特性の不安定性、などである。これらの知見は、次年度の新規チップ設計に反映される予定である。
先の素子設計ではシリコン細線導波路型遅延線を用いたが、この素子内専有面積が大きすぎることから、フォトニック結晶導波路型の遅延線について時間領域有限差分法による数値解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通り、シリコン基板への光の結合に成功している。またその実験の結果を次回の基板設計に還元することもできている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画通り、現在のシリコン基板の計測結果を元に、次のシリコン基板の設計を行い、再度シリコン基板をIMEのマルチプロジェクトウェハー(MPW)サービスに発注する。並行して、光遅延線の小型化と光強度モニタの検討を継続する。
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Causes of Carryover |
シリコン基板と光ファイバの結合光学系が当初予定よりも高価になったことから、前倒し支払い請求を実施した。この結果残額が発生し、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
継続課題であるため、当初予定通りの計画実行に使用する。
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Research Products
(2 results)