2017 Fiscal Year Research-status Report
移動ロボットの集中による輻そうを回避するコグニティブ型マネジメントの実証的研究
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16K06362
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
岡 育生 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 教授 (80160646)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | SN比推定 / 仲上mフェージング / ユーザ数推定 / ランダム遅延 / CSMA/CA |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,仲上mフェージング環境下のSN比推定法における推定特性の詳細な評価,ならびに,802.11無線LAN,CSMA/CAにおける送信制御のためのランダム遅延の観測結果を用いたユーザ数推定における推定特性の詳細な評価を行い,研究会,ならびに国際会議において4件の口頭発表を行った. まず,尤度を用いたSN比推定法の解析においては,対数尤度関数をSN比の関数としてみた場合に,対数尤度観測値の最大値を中心に左右対称であり,かつ,左右に単調減少する仮定を用いた.この仮定に対して,SN比ならびに仲上mフェージングのパラメータmの値を変化させ,この仮定が成立することを計算機シミュレーションを用いて明らかにした.SN比の推定誤り率を定義する変数を固定し,mを変化させて推定誤り率を求めた.その結果,推定誤り率はSN比が大きくなると減少し,ある一定のSN比で極小となる.さらにSN比を増加させれば推定誤り率が劣化することがわかった.多値直交振幅変調の多値数を16,32,64とした場合には,mが3と5では多値数16の推定誤り率が最も良いが,mが1の場合には逆に多値数が64の場合に最も推定誤り率が良くなった. 次に,ランダム遅延の観測結果を用いたユーザ数推定において,ランダム遅延の確率分布の検討を行った.解析式の数値計算結果より,ユーザ数とユーザの送信確率が小さい場合には一様分布に近づくことがわかった.ユーザ数の推定許容誤りを10%,20%,30%とした場合に,推定成功率80%以上を得るには,許容誤差10%ではユーザ数10以下,許容誤差が20%ではユーザ数15以下,許容誤差が30%ではユーザ数20以下となることが明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は,次の3項目より,概ね,計画通りの成果が得られたといえる. ・仲上mフェージング環境におけるSNR推定の詳細な性能評価を行った。 ・CSMA/CAにおける送信制御のためのランダム遅延の観測結果を用いたユーザ数推定法における推定結果の詳細な評価を行った. ・これらの結果を2件の研究会ならびに2件の国際会議において口頭発表により公開した.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は,以下の項目の検討を行う. ・パケット遅延:SN比の推定誤差ならびにトラヒックの推定誤差と,パケット遅延の関係を明らかにする ・ユーザ数推定:CSMA/CAにおける送信制御のためのランダム遅延を用いたユーザ数推定において,他の追加情報を用いたユーザ数推定特性の改善を図る.ランダム遅延が最小となり送信したユーザの送信が成功したか,失敗したかの情報の利用について検討する.
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Causes of Carryover |
今年度は研究会発表,国際会議発表が合わせて4件となり出張旅費が多くなると見込んだことから支出を控えた結果,次年度繰越金(+42,897円)が生じた.次年度の物品購入費の一部として充当する.
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