2017 Fiscal Year Research-status Report
ねじ部に接着剤を有するボルト締結状態の超音波による評価に関する研究
Project/Area Number |
16K06377
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
福田 誠 秋田大学, 理工学研究科, 講師 (50507671)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 超音波 / 反射係数 / 透過係数 / 2次高調波 / ボルト / トルク / 軸力 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは,これまで2次高調波超音波を検出することにより,ボルト締結評価の可能性を検討してきた。また,連続波超音波の反射係数に着目し,トルクの増加に伴って反射係数の減少傾向を確認することができた。本研究では,ねじ部に接着剤を有したボルト締結状態の新しい検査法を開拓するため,非線形超音波と反射/透過係数に両面から検討を行っている。 まず,ネットワークアナライザを用いて,固体接着面の有無,および接着剤の有無によって,荷重と超音波の反射係数と透過係数の関係について検討を行った。その結果,接着剤を有する場合,反射係数も透過係数の減少することが分かり,接着剤の部分において超音波エネルギーが大きく減衰している可能性がわかった。 次に,2次高調波を用いた検討では,油湿潤状態における締結を想定し,固体接着面に油を塗布した場合の検討を行った。その結果,油無しの場合では,接触圧力に伴い2次高調波が増加するのに対し,油を塗布した場合は,圧力によらず2次高調波が一定となった. 一方,油なしの状態で,ボルトのねじ部を想定し,固体接触面に対して入射角度を60度とした場合の検討も行った。垂直に入射した場合より10dB程度透過量が減少することが確認できた。ボルト締結の場合,ねじ部を2回通過する(ナット→ボルト→ナット)ので,およそ20dB減少することが考えられる。送波感度および受波感度の向上が今後の課題と考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
反射/透過係数を用いた実験,および,2次高調波超音波を用いた実験のそれぞれにおいて,ボルト締結に適用できる範囲を絞ることができたといえる。30年度は,この結果を踏まえて,本手法のアプリケーションを考慮に入れた検討を進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究で提案している手法を実用する場合,その環境に合わせた検討が必要と考えられる。特に,定常的に振動している環境下では,ボルトの緩みも生じやすい。今年度は,低周波振動の環境下で2次高調波超音波や超音波の反射/透過係数の測定を検討する予定である。
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Causes of Carryover |
残額で購入できる音響材料等が無いため,次年度の予算と合わせて音響材料を購入する予定である。
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