2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a fatigue damage sensing system for stainless steel that can be used in an environment where the martensite phase does not increase
Project/Area Number |
16K06386
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木下 勝之 京都大学, エネルギー科学研究科, 准教授 (80325240)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 非破壊評価 / 疲労 / ステンレス鋼 / 磁性 / 表面改質層 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,オーステナイト系ステンレス鋼表面に生成した表面改質層センサを用いて,マルテンサイト相の発生しにくい温度域でも使えるステンレス鋼の疲労劣化センシングシステムを開発することである. ①前年度までに開発した温度制御可能な曲げ疲労試験機とショットピーニング処理で製作された表面改質層センサを持つ試験片を用いて,マルテンサイト相の発生限界付近の温度である40℃と室温である20℃環境下で疲労試験を行い,センサの出力特性を調査した.その結果,環境温度が高くなると疲労寿命は短くなるが,センサで検出される信号強度は繰り返し数とともに増加した.よって,マルテンサイト相の発生限界付近の温度であっても繰り返し数が増えるに従い,マルテンサイト分率が増加している可能性が示唆された.また,ショットピーニングで製作された表面改質層センサの繰り返し数に対する出力特性は,従来型の表面仕上げ製センサとほぼ同じであることが確認された. ②前年度までの研究により,表面仕上げによって表面改質された試験片の表面形状が疲労き裂進展速度に影響を与えることがわかった.そこで本年度はFEM解析を用いて,2B試験片のように表面に溝部を有する部材の応力集中係数を様々な条件下で評価した.具体的には,溝方位,溝同士の干渉効果,さらに複雑な溝形状が応力集中係数に与える影響を評価し,実験結果で観察されたき裂進展方向との関係を調査した.その結果,2B試験片のように溝形状が複雑である場合,溝全体に応力が集中する傾向があり,応力集中係数分布とき裂進展方向に相関があることが確認された.
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