2017 Fiscal Year Research-status Report
密に群れた場合の接触・隠蔽を考慮した細胞等変形移動体の確率的動線解析に関する研究
Project/Area Number |
16K06387
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
近藤 克哉 鳥取大学, 工学研究科, 教授 (00295750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三柴 数 鳥取大学, 工学研究科, 准教授 (40609038)
小山田 雄仁 鳥取大学, 工学研究科, 助教 (30708615)
栗政 明弘 東北医科薬科大学, 医学部, 教授 (80343276)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 計測工学 / 画像解析 / 細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
密に群れた細胞,生物,人などの動線の定量的解析には,精度よく個々を分離して動きを追跡することが不可欠である.本課題では,頻繁に近接し相互に接触し,さらには交差し隠蔽が発生するなど,密に群れた環境下での特有の課題に対処可能な確率的手法を確立して,この手法を用いた定量的解析の適用範囲,応用範囲を増やすことなどが目的である.細胞の系譜・周期の情報や,車などの渋滞態様を知るための動線解析を扱い,実用的な動線イメージングを行う.提案する動線解析の手法は,その原理から解析対象を限定するものでなく適用範囲は広く,非常に混雑した場面での車や人,自然界での魚や鳥の群れや細胞の分化過程などを対象として,細胞,車や生物などの数と個々の動きを正確に推定し,動線を解析する.細胞解析は専門家(分担者)により評価しながら進めているが,とくに細胞の実際的・応用上の問題を扱い,これまで動線評価・系譜図の作成が困難であった場合についても時間的・空間的変化の評価可能なイメージングを実現した.29年度は細胞の系譜イメージングと評価などを行い,細胞体が大きく広がり,時間経過とともに輝度分布特徴が比較的大きく変化する細胞を解析した.このU2OS細胞(がん細胞から樹立した細胞株)は解析が一般に困難で,これまで系譜図作成が困難であった.その系譜図の精度を向上させ,時系列方向に細胞個数が増えていく様子に加え,細胞がどの親細胞に由来するかの系譜,またその周期を実用的な範囲で分析した.また奥行きのあるシーンに関して動線解析,奥行き解析原理の基礎的研究を進めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ計画通りの実験結果が得られており,申請計画に沿って進捗している.29年度は,細胞の系譜イメージングと評価などを行った.時系列方向に細胞個数が増えていく様子に加え,細胞がどの親細胞に由来するかの系譜,またその周期を実用的な範囲で分析した.バイオインフォマティクス分野においてこれら系譜や周期等の細胞情報はきわめて重要であり,細胞体が大きく広がり一般に解析が困難なU2OS細胞の正確な細胞検出と追跡,正確な系譜情報を細胞観察・評価を加えつつ進めた.また奥行きのあるシーンに関して動線解析,奥行き解析原理の基礎的研究を進めた.分担者の所属する東北医科薬科大医学部(28年度新設)共用設備としての顕微鏡を含む新規の実験設備整備が完了し,高い撮像性能を有する機材により細胞撮像を進めている.これらの画像も用いて細胞解析を進める.おおむね予定通りに進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の大まかな実施項目は,細胞の系譜解析,奥行きのあるシーンへの展開,カメラ動きを考慮した動線解析,車両渋滞の解析などであり,とくに細胞の系譜解析とカメラが動く場合の解析については以下の通りである. 1.細胞の系譜解析について 最新設備も利用して細胞解析を行う.細胞分化や増殖の態様解析を含め実用的な手法となるよう進める. 2.カメラが動く場合への展開について 移動物体以外の領域は二次形式表現に合致しないことを利用して,背景の動き(カメラ動き)を推定し,カメラ動きを考慮した動線解析を行う.カメラ動きが(a)奥行き方法を伴わず平面的である場合と,(b)奥行き方向を伴う場合に分けて検討する. また魚など群れて同方向に動く対象の場合について,相互に同方向に動く性質を利用し,奥行き方向に関し群れを分離して動線解析する手法を検討する.
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