2019 Fiscal Year Research-status Report
実用的1.8μm帯新規光源ならび汎用的in situ光センシング技術確立の研究
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16K06390
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| Research Institution | Osaka Prefecture University |
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Principal Investigator |
山田 誠 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10508401)
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| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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| Keywords | 近赤外分光 / 1.7 μm帯広帯域光源 / アルコール度数評価 / 部分的最小二乗回帰分析 / 主成分分析 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、第１目的として「1.7～1.9μm帯で動作する実用的な光源基盤技術の確立」、第２目的として、本波長域を利用する新たな「汎用的in situ光センシング技術の確立」を目指している。令和元年度の各々の目的に対する成果を以下に示す。
第１目的に対しては、研究代表者が提案してきた本センシングシステムで用いる光源であるTm添加ファイバ増幅およびTm添加ファイバレーザに対して、高性能化、高安定化を図るための設計指針を明らかにするために理論的検討を行うためのシミュレータの実現を目指した。シミュレーション不可能な計算領域が存在することが判明し、今後の課題となることを明らかにした。第２目的に対しては、光センシング技術の適用先として研究当初から検討を進めているアルコール飲料中のアルコール度数評価に対して、アルコール飲料中の不純物（ワインの場合、主に酒石酸、スクロース）の影響を考慮した評価法として、部分的最小二乗回帰分析を引き続き検討した。モデル構築・予測を行うために人工酒に対して、同手法を適用することで、ワインに含まれるアルコール濃度評価と共に不純物(酒石酸・スクロース)濃度評価が実現できた。また今年度より、主成分分析を用いたプラスチック材評価を開始し、アクリル板、ポリカーボネート板、ポリエチレンテレフタレート板、ポリ塩化ビニル板が分類できることを明らかにした。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
「1.7～1.9μm帯で動作する実用的な光源基盤技術の確立」：当初計画で予定していた1.7～1.9μm帯高安定広帯域光源技術がH30年度に完成している。H30年度完成を計画していた光センシング用半導体レーザ・波長可変レーザはH29年度に実現をしている。本年度は更なる光源の高性能化を目指して、昨年度より開始をした理論的検討を継続した。以上のことより、本項目は当初計画以上の進展をしているものと判断できる。
「汎用的in situ光センシング技術の確立」：当初計画で予定していた「広帯域光源を用いたアルコール飲料評価系の完成」は、上記光源を用いることで近赤外分光系による高濃度アルコール飲料の評価が実現できた。「アルコール飲料のin situ光センシング技術の確立」に関しては、同評価に影響与えるアルコール飲料に含まれるエタノール以外の不純物成分(酸類，糖分)を除去する方法として部分的最小二乗回帰分析の導入を開始し、着実な進展をしている。H30年度から開始する予定であった「波長可変レーザを用いた近赤外分光による日本酒、焼酎中のアルコール濃度評価」もH29年度から検討を開始している。また本年度から、プラスチック材評価を開始し、本開発の近赤外分光系の更なる応用先拡大を図っている。以上のことより、本項目も当初計画以上の進展をしているものと判断できる。
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| Strategy for Future Research Activity |
第1目的である「1.7～1.9μm帯で動作する実用的な光源基盤技術の確立」はほぼ終了している。光源の理論的検討を新たな検討項目として研究を進める。
第2目的である本波長域を利用する新たな「汎用的in situ光センシング技術の確立」としては、アルコール飲料のin situ光センシング技術の確立を最優先で実施する。また、プラスチック材評価技術の確立も行う。
さらに、遅れがちな第1目的及び第1目的で得られた成果報告（学会投稿、論文投稿）を精力的に進める。
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| Causes of Carryover |
コロナウイルスの関係で参加予定の学会が中止になり、未使用額が生じた。
2020年度に研究成果報告（学会参加・論文投稿）のために使用する。
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