2016 Fiscal Year Research-status Report
生体電位応答に連動したSPA・SMAシステム型の植物工場の生育環境制御
Project/Area Number |
16K06393
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
平間 淳司 金沢工業大学, 工学部, 教授 (40181185)
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Project Period (FY) |
2016-10-21 – 2019-03-31
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Keywords | 茸工場 / 植物工場 / 生体電位 / 環境制御 / 成長促進 |
Outline of Annual Research Achievements |
インキュベータ(温度・湿度・CO2設定など可能な人工気象装置)を用いて高精度の環境制御により、植物・茸の生体電位を精密に再計測した。また、現在稼働中の自作装置をフル活動させてSMAシステムの至適生育制御パラメータ決定の確立を目指した。具体的には、以下の通り。植物や茸の生体電位反応は、光刺激の他に温度・湿度・CO2・O2などの様々な外的環境因子に大きく依存することを突き止めていることから、生体電位信号を指標とし至適生育栽培のより効果的な環境条件を確立することを目指した。SPAやSMAシステムにおけるより適切な環境制御パラメータの決定をする。(a)強さ・明暗刺激間隔: 光刺激の強度や規則的な明暗刺激間隔など、種々のパラメータを設定し生体電位に及ぼす影響力を検証した。現在、生長制御に最適な条件の決定までには至っていないので、得られたデータを踏まえて光刺激の強度や規則的な明暗刺激間隔など、種々のパラメータを設定し生体電位に及ぼす影響力を検証した。(b)波長(光刺激の色): 光源の波長が生長促進効果へ与える影響も検討した。現有の白色光源であるキセノンランプに特定波長のみ通過できる干渉フィルタを利用することで、系統的に単色の発光波長(放電灯のため光照射強度は任意の光波長で一定可能)を照射できるので、植物・茸の生体電位の波長依存性をより詳しく調べて一般性を検討した。(c)電位変動特性の解析 : 生体電位のゆらぎ特性やバイオリズム変動特性を解析して、「生き物」の健康診断指標の再検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
交付内定通知が通常時期とは異なり、平成28年11月頃であった。これにより当初の研究計画通りには実施できなかった。また、当初の予算申請額から減額もあり、新規のインキュベータの購入までは至らなかった。しかしながら、現有装置で、研究成果を目指して努力中である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に沿って、以下の内容を実施する。 ( MRI装置を用いた菌糸の発達の3D表示): 地下系である培地内部の菌糸の発達に関して、これまではMRI装置を用いて、植菌直後から子実体が胞子を落とすまでの「茸の一生」の期間に渡り系統的に本格的に反復撮影する。 (わさび工場の設置に向けた基本システムの設計および設置): 種々の光刺激を与えた場合の生長の比較実験(光形態形成実験)を試験運用中の実験システムで更に複数回実施する。また、生体電位のセンシングを行い植物の生育診断や健康診断への可能性について、電位変動パターンからバイオセンサ機能を検討し、生体電位のバイオリズムに連動した本格的な制御型光源装置の設計ができる可能性を探る。
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Causes of Carryover |
補助金の内定日が当初の予定日より遅れ、11月頃であったため研究計画通り進めることができなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
可能な限り研究計画に沿って遅れを挽回すべく、努力する予定である。
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Research Products
(2 results)