2017 Fiscal Year Research-status Report
生体電位応答に連動したSPA・SMAシステム型の植物工場の生育環境制御
Project/Area Number |
16K06393
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
平間 淳司 金沢工業大学, 工学部, 教授 (40181185)
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Project Period (FY) |
2016-10-21 – 2019-03-31
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Keywords | キノコ栽培 / ワサビ栽培 / 生体電位 / 健康診断 / 生育環境制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物工場や茸工場の人工栽培での至適生育環境調節技術において、本研究では栽培種「生き物」から誘発する微弱な生体電位を常時観測する。栽培期間中に「生体電位」の意味解読をすることで「生き物」の気持ちを知り、至適生育環境を人工的に制御する画期的な技術開発を行う。本研究では、これまでの蓄積ノウハウを活かし植物工場や茸工場の栽培環境制御を行うSPA(Speaking Plant Approach) やSMA(Speaking Mushroom Approach) システムの新提案を行っている。SPAは従来、植物体の生体計測(生長計測、形態形成,光合成速度,クロロフィル蛍光)に基づき環境調節することが主体で、一定の成果を得て実用化されつつある。そこで本研究では、この他に生体電位計測のパラメータも含め、更に高効率環境制御システムを提案している。現在,地域連携と町おこしを狙った,わさび栽培環境制御システムに提案型SPAを研究室内で試験運用し基本データを取得している。 H29年度では主として、わさび工場の設置に向けた基本システムの設計および設置を行い、至適栽培条件の探求を実施した。また、生体電位をモニタすることで、バイオセンサ機能を検討した。そして、生体電位のバイオリズムに連動した本格的な制御型光源装置の基本設計を実施した。 一方、茸工場関連ではMRI装置を用いた培地内部の高画質化の再検討も一部実施した。前年度に引き続き茸培地の植菌から収穫までの期間のMR画像を撮影することで、外的刺激環境に対する菌糸の発達過程を検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度に報告済みであるが、補助金の採択の内定日が遅れ、初年度は11月頃であったため当初の研究計画からやや遅れがちである。 最終年度では、当初目指した研究計画の最終ゴールを目指して最大努力をする予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
わさび植物工場内でのテストラン(含む機能性成分分析を開始) 提案型SPAシステムでの生育実験を地元企業と連携しながらテストランを繰り返す。ちなみに、わさび苗から出荷できる芋(通常は根と呼ばれる)部分は、半年から1年栽培期間が必要である。その期間に生体電位を精度を高めて収集・分析を繰り返す。この年度でも、現有の試作型植物工場でもわさびの生育実験を繰り返し、これまでの植物工場で収集したデータ間の類似性も常に検討する。 MRI装置を用いた茸の培地内部の3D表示 時間が有る限り多くの茸培地の植菌から収穫までの期間のMR画像を撮影することで、外的刺激環境に対する菌糸の発達過程を検証する。特に、地下茎の発達条件を決定することで良質な子実体(可食部分)の生育促進を目指す。
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Causes of Carryover |
採択時期が通常より遅れて11月から研究がスタートし、当初の研究計画より遅れが生じた。そのため次年度使用額が発生したことによる。
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