2016 Fiscal Year Research-status Report
電磁・超音波混合方式のリモート式非接触非破壊検査による早期欠陥検出技術
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16K06395
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
廿日出 好 近畿大学, 工学部, 准教授 (90339713)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 超音波ガイド波 / SQUID / 磁気センサ / 磁歪 / 配管 |
Outline of Annual Research Achievements |
配管や格納庫等の構造物を対象とし、これに超音波ガイド波を誘導、発生した振動由来の磁気信号を高感度磁気センサSQUIDで検出する、配管等の広範囲にわたる非接触・リモート非破壊検査技術の開発・研究を行っている。平成28年度では、研究実施計画に基づき、①磁性金属管を伝達する振動由来の磁気信号のリモート検出検証実験、および②誘導コイルを用いた電磁波により振動を発生させる機構の開発・導入を行った。①では、まず打撃により、次いでアコースティックエミッション(AE)センサによりAE振動をサンプル間に発生・伝達させ、振動由来の磁気信号が発生・リモートで検出できるかどうかを、SQUIDセンサで計測を行い調査した。微小なAE振動に関しては、SQUID(受信器)を設置する管の部分に磁歪効果を持つニッケル薄板を貼り付けることで、振動を磁気信号に変換して、ガイド波を非接触で検出できることを示した。②として、送信部にも磁化したニッケル薄板を管一周にわたって貼り付け、コイルを巻きつけた磁歪式送信器を導入した。これにより安定して管にT(0,1)モード超伝導ガイド波を発生させることが出来るようになった。また従来の圧電式受信器と比較して、高感度なSQUIDを用いることで、非接触にもかかわらず、より信号雑音比(SN比)の大きなガイド波計測が可能であることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要にも記述した通り、計画通りに研究を遂行し、おおよそ期待した成果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度には、欠陥(配管では亀裂、減肉など)や溶接による異常磁気信号の取得と解析ソフトの開発を行う。平成28年度に開発した非破壊検査装置を用い、試料管に亀裂や減肉などの欠陥を導入し、欠陥に由来する磁気信号が計測できるかを調べる。上記欠陥箇所では、ガイド波は一部がこれらを透過、一部が反射すると考えられる。この反射波振動に由来する磁気信号をSQUIDで計測できれば、欠陥の有無だけでなく、伝達速度と時間から欠陥の位置同定が可能になる。信号強度は管材、欠陥の距離や、欠陥サイズ(深さや幅)に依存すると考えられるため、種々の人工欠陥を計測し、欠陥パラメータと磁気信号との関係を明らかにする。一方、管の端や、管に溶接や継手等が存在すれば反射波を発生させることが予想されるため、これらも計測してデータベースを作っておき、欠陥信号との比較等が行えるようにする。上記を行うには、管の端での反射波等と欠陥信号を区別するため、信号解析技術を開発する必要がある。ここではスペクトラムアナライザで信号解析を進めると同時に、LabVIEWを用いたリアルタイム解析プログラムを開発する。最終的に検出可能と考えられる欠陥サイズの推定を目指す。
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