2016 Fiscal Year Research-status Report
疾患胚モデルの生理機能マルチセンシングと成長診断システムの臨床応用
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16K06397
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Research Institution | Hakodate National College of Technology |
Principal Investigator |
森谷 健二 函館工業高等専門学校, 生産システム工学科, 教授 (90342435)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ニワトリ初期胚 / 体動解析 / 低酸素症 / 無侵襲成長診断システム |
Outline of Annual Research Achievements |
ニワトリ初期胚の低酸素疾患予測に関する研究:ニワトリ胚の低酸素症に特有な体動パターンを明らかにし疾患予測をするために精度0.1%での任意酸素濃度制御システムを構築した。システムはチャンバーや台座の設計から行っており、クローズされている計測システムの外部から高さやカメラのピントを調節できるように3Dプリンタによりパーツを設計・製作した。また、パーツ自作により同時に複数胚の計測を可能としたことは非常に大きな成果といえる。 現有システムでは制御による精度のゆれ幅が0.1%を超えることがあり、さらに目的の酸素濃度に到達するまでに目標値60秒を上回ることがあったために比例型電磁制御弁による制御システムの構築を試みた。この結果、チャンバー内の酸素濃度応答速度は60秒以内になったが、過制御が見られた。このため、H29年度は6月までに電磁弁開放制御の最適関数をモデル化し、精度±0.1%、精度内ばらつき±0.05%以内、目標酸素濃度21-15%の範囲において酸素濃度変化応答速度60秒以内、チャンバー内位置依存性濃度差±0.05%のシステムを完成させ、体動解析実験をおこなう。
ニワトリ初期胚の無侵襲成長診断システムの開発:これまでのシステムは卵殻と卵殻内膜に穴を開けてCCDカメラにて直接胚を録画する侵襲システムであった。これまでの報告から少量の卵殻内膜除去は成長を阻害せずに孵化することはわかっているが、近可視光領域LEDをもちいて胚を透過撮影するシステムの開発を目指した。H28年度は波長365n~970nm、出力1W以下のLEDにより卵殻透過実験を行った。結果として850nm近傍が卵殻を透過しやすいことがわかった。H29年度は引き続き無侵襲成長診断システムの開発を平行して進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
任意低酸素制御システムはH28年度中に完成する予定であったが、比例電磁弁の制御関数モデリングの問題から完成に至らず、H29年度6月にずれ込んだため、このシステムを用いた実験もあわせて遅れている。ただし、理由は異なるが実験例数が不足することについては申請段階から想定しており、H29年度中に計画通りに実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
遂行方策についてはテーマ全体で考えた場合は申請書と大きく変わることはない。
任意低酸素制御システムについては上記で述べたとおり。
テンプレートマッチングによるニワトリ胚の座標解析については座標予測アルゴリズムの確立とニューラルネットワーク等の認識精度向上手法を取り入れる。
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Causes of Carryover |
任意酸素濃度制御システムの完成の遅れに伴い実験およびデータ解析の全てに遅れが生じたために予定していた国際会議および国内会議での成果発表旅費が全額未使用のため。申請時の旅費計上額は400,000円であり、次年度使用額(B-A)の423,457円とほぼ一致する。 なお、物品費については申請額1,350,000円をほぼ計画通りに使用している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰越分は予定通りにH29年度の国際学会、国内学会にて成果発表に使用する。
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Research Products
(1 results)