2017 Fiscal Year Research-status Report
熱波顕微鏡システムによる透明電極-高分子基材の同時熱物性評価法の開発
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16K06399
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Research Institution | Kanazawa Technical College |
Principal Investigator |
南出 章幸 金沢工業高等専門学校, 電気電子工学科, 教授 (20259849)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 熱物性 / 透明膜 / 熱波顕微鏡システム |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、産業界では薄膜を使った製品が数多く造られ、太陽電池、タッチパネルなどに使われる新しい透明電極が次々に開発されてきている。しかし、いずれの透明電極もその光学的特性や電気的特性についてはかなり把握されている一方、その熱特性についてはほとんど調べられていないようである。これは、透明電極の熱的特性を手軽に測定する手法が確立されていないことに起因する。そこで、本研究の目的は、従来の光音響顕微鏡システムを改良した熱波顕微鏡システムを開発し、それによる透明電極基板(透明電極-透明高分子基材)の熱物性評価法を確立することにある。これまで透明電極および透明高分子基材は光吸収率が低いため、従来の光音響顕微鏡システムでは材料内にレーザ光吸収による熱源を形成することが出来なかった。本研究ではこの問題点を解決するために熱波励起の高効率化を検討し、透明電極内に熱源を形成する新たな方法を検討し、材料評価法の確立を目指す。平成29年度は、(1)透明樹脂材料(透明高分子膜)として適している素材について調査した。さらに(2)実験に使用する計測プログラムの開発を試み、一部改良が必要なところはあるものの、ほぼ完成し実験データを自動で計測できるようにした。また(3)微弱な信号を測定に関して、測定システムの見直しを図った。以上の研究成果より、(4)材料のデータが測定可能となり、いくつかのサンプルを用いて基礎実験を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遅れていた実験装置、プログラムの試作がほぼ完了し、遅れを取り戻すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
色々なサンプルを使って実験を行い、理論値と比較する。さらに、自動計測プログラムの改良およびデータ処理プログラムの開発を試みる。
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Causes of Carryover |
材料サンプルの購入がまだ完了しなかったため。早急にサンプルを購入し、実験を試みる。
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