2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of thermal property evaluation method of transparent electrode-polymer substrate layer by thermal wave microscope system
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16K06399
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Research Institution | International College of Technology, Kanazawa |
Principal Investigator |
南出 章幸 国際高等専門学校, 電気電子工学科, 教授 (20259849)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 熱波 / 熱拡散率 / 透明膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、産業界では薄膜を使った製品が数多く造られ、太陽電池、タッチパネルなどに使われる新しい透明電極が次々に開発されてきている。しかし、いずれの透明電極もその光学的特性や電気的特性についてはかなり把握されている一方、その熱特性についてはほとんど調べられていないようである。これは、透明電極の熱的特性を手軽に測定する手法が確立されていないことに起因する。 そこで、本研究の目的は、従来の光音響顕微鏡システムを改良した熱波顕微鏡システムを開発し、それによる透明電極基板(透明電極-透明高分子基材)の熱物性評価法を確立することにある。これまで透明電極および透明高分子基材は光吸収率が低いため、従来の光音響顕微鏡システムでは材料内にレーザ光吸収による熱源を形成することが出来なかった。本研究ではこの問題点を解決するために熱波励起の高効率化を検討し、透明電極内に熱源を形成する方法として、バッキング材を利用して透明電極を透過したレーザ光を光学的に不透明なバッキング材で吸収させ、そこで熱波を生成する方法を理論と実験の両面から検討した。 黒鉛基板上に透明膜に見立てた透明エポキシ系塗料を塗布し、そこにレーザ光を照射した。黒鉛基板表面で吸収された光は逆伝搬し、透明塗料を伝搬後、表面から光音響信号が発生する。照射レーザ光の変調周波数を変化し、発生した光音響信号位相を測定することで、透明層の熱拡散率が簡単に測定できた。得られた値は文献値とも一致し、提案した手法が透明膜の簡単な熱拡散率推定法になり得ることを明らかにした。
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