2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Backdrivabile Circular Hydraulic Cylinder and Controller Designing
Project/Area Number |
16K06410
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
境野 翔 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (70610898)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 油圧アクチュエータ / バックドライバビリティ / 力制御 / 油圧閉回路 / 二慣性共振系 |
Outline of Annual Research Achievements |
人間支援ロボットには軽量・高速制御可能・高バックドライバビリティの3点が要求されるが、これらを同時に満足するアクチュエータが存在しなかった。そこで、軽量かつ高速制御可能である電気静油圧アクチュエータにおけるバックドライバビリティの改善を目的とし、以下の2点を目標仕様とした。1.従来の回転型油圧アクチュエータの容積効率が70%以下であったのでこれを直動シリンダ並の90%以上とする。2.同アクチュエータにおいて始動トルクを1/10以下とする。これらの仕様を達成する新しい機構と計測制御技術を開発する。 まず、電気静油圧アクチュエータにおける圧力損失をモデル化することで、反力推定において相関係数0.98の非常に精度の高いモデルを獲得することに成功した。さらに、軸ねじれトルクを共振比制御によって補償することで、電気静油圧アクチュエータの共振を抑制する安定化制御を設計する事を可能にし、従来手法の5倍ほどになる非常に広い制御帯域を実現し、同時に、ソフトウェアの改良だけで始動トルクを5分の1ほどにすることに成功した。 また、二つの油圧ベーンモータを組み合わせることで球体関節形油圧アクチュエータを開発し、直交する異なる動作を一つのアクチュエータで実現した。さらに、空気圧シリンダを油で駆動し2つのシリンダを用いて電気静油圧アクチュエータを構成した。その結果、容積効率99.3%の非常に高い効率を実現し、ロボットハンドに適した小型油圧アクチュエータとなることを見出した。これを用いて交差式四節リンク機構を駆動することでバックラッシのないフィンガロボットを開発した。並びにフィンガロボット5本からなるロボットハンドを開発した。 以上のソフトウェア並びにハードウェアの改善を併用することで、当初の設計仕様を達成しただけでなく、球体アクチュエーションやロボットハンドの開発にまで成功し、当初の予定を上回る成果を得た。
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