2016 Fiscal Year Research-status Report
既存の制御系の性能を保持しつつロバスト性を付加する特化型補償器の発展研究
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16K06419
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
岡島 寛 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 准教授 (40452883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 信智 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (10363508)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | モデル誤差抑制補償器 / ロバスト制御 / 混合感度問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
制御系設計を行う場合には,対象の数式モデルに基づいて制御器の設計を行うことが一般的である.このとき,数式モデルと制御対象の動特性との間にギャップがあれば,それに起因して所望の制御性能を得られない.本研究では,制御対象の出力とモデルの出力の差をフィードバックすることで見かけ上の両者間のギャップを小さくする新しいロバスト制御手法について研究を行なう.誤差抑制のみに特化するような補償器を付加するため,既存の制御系設計法と併用することができ,良好な制御性能を簡単な設計手順で実現できる. 本研究の補償器は入出力特性をモデルに近づけることを目的としている.このとき,先行研究において得られた知見として,誤差補償器はハイゲインな補償器として得られることが多い.観測信号が十分な精度で計測できない場合やセンサノイズが系に与える影響を考えた場合,ハイゲインな誤差補償器では,それに起因する制御性能劣化が生じうる.これに対し,本年度は,ノイズ等の影響を考慮した設計論の展開を行った. 混合感度問題としての定式化を行い,車輪型倒立振子への予備実験的な適用を行った.これにより,H28年度に実施予定であったノイズ環境下での設計およびH31年に実施予定である倒立振子への適用への足掛かりを得ることができた.ノイズ環境下での設計問題に関しては,学術論文として投稿した上でH29年度4月の掲載が決定している.また,モデル誤差抑制補償器の発展に関する研究でも学術論文としての投稿を行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H28年度実施予定のセンサノイズ環境下でのモデル誤差抑制補償器の設計について,おおむね計画通りに研究を遂行した.さらに,H29年度以降で実施予定の車輪型倒立振子に関する予備実験を行った.
その一方,メタヒューリスティックに関する研究の進捗はあまり大きくなく,総合して考えると(2)とすることが妥当と考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
H28年度で未実施であったメタヒューリスティクスに基づいた設計を進める.また,離散時間制御系への適用を行う.当該研究に関しては,連続時間制御系とと間のアナロジーに基づいて進めることから順調な進行が予想される.
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Causes of Carryover |
学会発表および論文の掲載が遅れた.研究の進捗状況の結果から次年度使用額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
学会の別刷り料等の支出に利用する.
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